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保証人がいる借金を自己破産するとどうなる?迷惑をかけない対策

破産・再生 2026.03.10.

保証人がいる借金を自己破産するとどうなる?迷惑をかけない対策

【相談者】横田先生、借金の返済がもう限界で、自己破産を考えています。

でも……一つだけどうしても踏み切れない理由があるんです。実は、奨学金の保証人に父がなっていて、友人に保証人になってもらった借入れもあるんです。私が破産したら、この人たちに迷惑がかかりますよね?

【横田弁護士】 そのお悩み、本当によく分かります。ご自身が楽になることよりも、大切な人に迷惑をかけることを恐れて、無理な返済を続けてしまう方は非常に多いのです。

結論から申し上げますと、あなたが自己破産をすると、債権者は法律の規定通り、保証人に対して一括で請求を行うことになります。これを避けることは、残念ながらできません。

【相談者】やっぱりそうなんですね……。父ももう年金暮らしですし、友人に請求がいくなんて考えただけで恐ろしいです。それなら、保証人がついている借金だけは手続きから外して、自分で払い続けることはできませんか?

【横田弁護士】 お気持ちは痛いほど分かりますが、法律上、特定の借金だけを除外することは「債権者平等の原則」に反するため許されません。隠して手続きをすると、免責(借金の帳消し)自体が認められなくなるリスクもあります。

しかし、絶望しないでください。迷惑を最小限に抑える方法や、保証人の方も含めて生活を守る解決策は必ずあります。今日はその「現実」と「対策」について、包み隠さずお話ししましょう。


保証人がいる借金で自己破産すると起きること

自己破産は、裁判所に申立てを行い、認められればあなたの借金支払い義務がすべて免除される(なくなる)という強力な制度です。

しかし、借金そのものがこの世から消滅するわけではありません。

あなたが支払えなくなった借金は、契約書にサインをした【保証人】【連帯保証人】へと移動します。

具体的には、あなたが弁護士に自己破産を依頼し、弁護士から債権者へ「受任通知(介入通知)」を送った時点で、債権者はあなたへの請求をストップします。その代わり、矛先は保証人へと向き、保証人に対して直接、返済を求める連絡が入ることになります。

これは、債権者(お金を貸した側)からすれば当然の権利行使です。保証人契約とは、本来、「主債務者(借りた本人)が返せなくなったときに、代わりに返す約束」だからです。

あなたが破産するということは、まさにその「返せなくなったとき」が到来したことを意味します。

自己破産が保証人に与える影響の概要図。本人の支払い義務は免除されるが借金は消滅しないというキーポイントを提示。流れは、1.弁護士に依頼、2.受任通知の送付、3.本人への請求ストップ、4.債権者が保証人へ直接請求、の4ステップ。保証人契約は主債務者の不能時に代わって返す約束であることを強調している。

なぜ「一括請求」されるのか?法律上の仕組み

ここで多くの方が驚かれるのが、保証人の元に届く請求が「分割払い」ではなく【残額の一括請求】であるという点です。

「毎月数万円ずつなら父も払えるかもしれない」と期待される相談者様も多いのですが、現実は厳しいものです。

なぜなら、借金の契約には通常、「期限の利益」というものが設定されています。

これは「約束通り払っている限りは、分割払いでいいですよ」という権利です。

しかし、あなたが自己破産を申し立てたり、支払いを滞納したりした時点で、あなたはこの「期限の利益」を失います。

主債務者が期限の利益を失うと、多くの契約では、保証人も同様に一括で返済しなければならないと定められています。

そのため、ある日突然、数百万円という単位の請求書が保証人の元に届くことになるのです。

保証人へ残額が一括請求される法律上の仕組みを解説。「期限の利益(約束通り払う限り分割でよい権利)」の説明があり、自己破産申立て等でこの権利を喪失すると、保証人にも一括返済義務が発生する流れを図解。数百万単位の請求書が届く現実を示し、分割払いが原則認められない厳しさを伝えている。

「保証人」と「連帯保証人」の決定的な違い

ここで、法律用語の解説を少し挟みます。

保証には「単なる保証人」と「連帯保証人」の2種類があります。

しかし、金融機関や奨学金、賃貸契約などのほとんどは【連帯保証人】です。

この「連帯」という言葉がつくと、責任の重さが桁違いになります。

単なる「保証人」であれば、以下の2つの権利を主張できます。

①催告の抗弁権:「まずは借りた本人(主債務者)に請求してください」と言える権利。

②検索の抗弁権:「借りた本人は財産(家や車)を持っているから、先にそれを差し押さえて回収してください」と言える権利。

しかし、【連帯保証人】には、これらの権利が一切ありません。

つまり、債権者は、借りた本人を飛び越していきなり連帯保証人に請求しても法的に問題がなく、連帯保証人は「まずは本人に言ってくれ」と拒否することができないのです。

あなたが自己破産する場合、保証人はあなたの代わりに、借金を「自分の借金」と全く同じレベルで背負うことになります。

「保証人」と「連帯保証人」の決定的な違いを比較表で解説。連帯保証人には、まず本人に請求してと言える「催告の抗弁権」や、本人の財産を先に差し押さえてと言える「検索の抗弁権」がなく、債権者からいきなり請求される。結論として、連帯保証人は借金を自分のものと全く同じレベルで背負うことになると警告。

親が保証人のケースが多い「奨学金」の特例と現実

日本学生支援機構(JASSO)などの奨学金では、親御さんが連帯保証人、親戚の方が保証人になっている「人的保証」のケースが多く見られます。

奨学金は何百万という高額になることが多く、親子間でのトラブルに発展しやすい問題です。

あなたが自己破産をして奨学金の返済義務を免れた場合、機構は連帯保証人である親御さんに請求を行います。

ただし、日本学生支援機構の場合、消費者金融や銀行とは異なり、柔軟な対応をとる制度を持っています。

一括請求が原則ではありますが、保証人が「一括では払えない」と申し出れば、「分割払い」の話し合い(和解)に応じてくれるケースが一般的です。

また、保証人自身も高齢で支払いが困難な場合には、保証人の資力に応じた減額返済や、返還期限の猶予などの救済措置が用意されていることもあります。

「親に請求がいく」という事実は変わりませんが、即座に実家が差し押さえられるといった最悪の事態は、誠実に対応することで回避できる可能性が高いのです。

親が連帯保証人になることが多い「日本学生支援機構(JASSO)」の奨学金に関する特例を解説。原則は一括請求だが、保証人が一括で払えない場合に分割払いの和解に応じるケースや、高齢・低資力の場合の減額・猶予措置がある。誠実に対応することで、実家の差し押さえ等の最悪の事態は回避できる可能性が高いと説く。

保証人がついている借金だけ「外す」ことはできるか

「友人に迷惑をかけたくないので、友人が保証人になっている借金だけは自分で払い続けて、それ以外のカードローンだけ自己破産したい」

このような相談を頻繁にいただきます。

お気持ちは痛いほど分かりますが、これは法律上【絶対にやってはいけない行為】です。

自己破産手続きには「債権者平等の原則」という大鉄則があります。すべての借金を洗い出し、すべての債権者を平等に扱わなければなりません。

特定の借金だけを手続きから除外したり、特定の人にだけこっそり優先して返済したりする行為は「偏頗弁済(へんぱべんさい)」と呼ばれ、免責不許可事由(破産が認められない理由)となります。

もし、弁護士に隠して一部の借金を除外しようとしても、裁判所の調査やお金の流れ(通帳の履歴など)から必ず発覚します。

そうなれば、あなたは破産できず借金は残り、結果として保証人にもっと大きな迷惑をかけることになってしまいます。

保証人がついている借金だけを除外して自己破産することは法律上絶対にできないと解説。特定の債権者だけに返済する行為は「偏頗弁済(へんぱべんさい)」にあたり、免責不許可事由(破産が認められない理由)となる重要ルールを説明。隠しても裁判所の調査等で必ず発覚し、保証人へさらに大きな迷惑をかける結果となる。

保証人に迷惑をかけないための具体的対策

では、どうすれば良いのでしょうか。

「迷惑をかけない」ことの定義を、「金銭的な負担をさせない」こととするならば、自己破産をする以上、それは不可能です。

しかし、「人間関係の崩壊を防ぐ」「保証人の生活破綻を防ぐ」という意味での対策は可能です。

① 事前の説明と謝罪

最も重要なのは、弁護士から通知が届く前に、あなた自身の口から事情を説明し、謝罪することです。

ある日突然、弁護士や債権者から「一括で払え」という通知が届けば、誰でもパニックになり、あなたへの不信感は決定的なものになります。

「どうしても返せなくなってしまい、自己破産をすることになった。本当に申し訳ないが、これから弁護士を入れて手続きをする」と、誠意を持って伝えることが、関係修復の唯一の糸口です。

② 弁護士による介入と説明

あなたが直接話しにくい、あるいは相手が感情的になって話ができない場合は、私たち弁護士が間に入って状況を説明することも可能です。

法的な仕組みを冷静に伝え、今後の見通しを話すことで、保証人の方の不安を和らげることができます。

保証人との人間関係崩壊を防ぐための対策①「事前の説明と謝罪」を解説。弁護士からの通知が届く前に、自身の口から誠意を持って事情を説明し謝罪することが、関係修復の唯一の糸口であると強調。突然の通知は不信感を決定的にするため、自分から伝えることが重要であるとアドバイスしている。
保証人への対策②「弁護士による介入と説明」を解説。本人が直接話しにくい場合や相手が感情的な場合は、弁護士が間に立ち、法的仕組みや今後の見通しを冷静に伝えることで不安を和らげる。まとめとして、金銭的負担ゼロは不可能だが、誠実な事前説明と専門家の介入で関係崩壊や生活破綻を防ぐことは可能と説く。

保証人と「共倒れ」しないための同時解決

もし、請求額が大きすぎて保証人の方も支払いきれない場合、どうなるのでしょうか。

最悪のケースは、親子や友人で「共倒れ」してしまうことです。

保証人が無理をして借金をし、あなたの借金を肩代わりしようとすれば、保証人までもが多重債務に陥ってしまいます。

そうなる前に検討すべきなのが、【保証人も含めた債務整理】です。

・保証人に支払い能力がある場合

債権者と交渉し、一括ではなく長期の分割払いに変更してもらう「任意整理」という方法があります。これなら、保証人の資産(自宅など)を守りながら、無理のない範囲で返済していくことが可能です。

・保証人にも支払い能力がない場合

残念ながら、保証人の方も一緒に「自己破産」や「個人再生」を申し立てることを検討せねばなりません。

「親まで破産させるなんて」と自分を責める方もいらっしゃいますが、親子で同時に手続きを行い、借金をすべてきれいにして、一緒に生活を再建されたご家族を私は何組も見てきました。

共倒れして夜逃げや一家離散になるより、法的手続きでリセットし、全員で平穏な生活を取り戻す方が、長い目で見ればプラスになることも多いのです。

請求額が大きく保証人も支払いきれない場合の「共倒れ」防止策を提示。保証人に支払い能力がある場合は「任意整理」で長期分割払いに変更。能力がない場合は、保証人も「自己破産」や「個人再生」を検討。親子で同時に手続きを行い、夜逃げや一家離散を避けて法的にリセットし生活を再建するメリットを説明している。

ひとりで抱え込まず、弁護士を介して誠実な対応を

保証人がいる借金の整理は、非常にデリケートな問題です。

「迷惑をかけたくない」と思って時間を引き延ばせば引き延ばすほど、遅延損害金で借金は膨らみ、結果的に保証人への請求額も増えてしまいます。

一番の親孝行、あるいは友情の証は、問題を先送りすることではなく、被害をこれ以上広げないために勇気を持って決断することです。

当事務所では、あなた自身の自己破産はもちろん、保証人となってしまった方への対応や、必要であればその方の債務整理も含めて、トータルで解決策をご提案します。

決して一人で悩まず、まずは専門家にご相談ください。

あなたの「誠意」を形にする方法を、一緒に考えましょう。

保証人がいる借金の整理はデリケートであり、問題を先送りするほど遅延損害金で借金が膨らみ保証人の負担が増えるリスクを解説。「被害を広げないために勇気を持って決断することが一番の親孝行・友情の証」と説く。当事務所では、本人の破産だけでなく、保証人の債務整理も含めたトータルな解決策を提案すると結ぶ。

【相談者】先生、お話を聞いて覚悟が決まりました。父には正直に話そうと思います。でも、父がいきなり請求を受けてパニックにならないか心配で……。

【横田弁護士】その点はご安心ください。もしよろしければ、お父様にも一緒に事務所に来ていただくか、オンラインで同席していただいても構いません。「なぜ破産が必要なのか」「これからどうなるのか」を、私が責任を持って法的な観点から丁寧に説明させていただきます。

【相談者】本当ですか?それなら父も少しは落ち着いてくれると思います。実は父も定年後で生活が楽ではないので、もし父も払えないとなったら、父の債務整理もお願いできるのでしょうか?

【横田弁護士】 もちろんです。最優先すべきは、あなたとお父様、両方の今の生活を守ることです。親子で同時に解決する道筋も立てられますから、まずは全てを隠さずにお話しすることから始めましょう。


【お問い合わせ先】

弁護士法人横田秀俊法律事務所

〒912-0087 福井県大野市城町8番6号

電話:0779-64-4099

■ 日本全国対応可能・オンライン相談推奨

当事務所では、地理的な距離に関係なく、日本全国からのご相談を受け付けております。 オンライン(ZOOM、Google Meetなど)を活用し、ご自宅にいながら弁護士と対面同様の相談が可能です。保証人の方を交えた三者間でのご相談にも柔軟に対応いたします。

■ 相談料 30分 5,500円(税込)

■ 決済方法

対面でのご相談の場合、各種クレジットカード決済、QRコード決済に対応しております。

「保証人に迷惑をかけたくない」というその思いを、解決へのエネルギーに変えましょう。

まずはお電話にてご連絡ください。

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相談を促すクロージングスライド。「保証人に迷惑をかけたくない」という思いを解決へのエネルギーに変えようと呼びかけている。具体的なアクションとして、まずは電話での連絡を推奨。「コラムを読んだ」と伝えることでスムーズに案内できる旨や、一人で悩まず専門家と共に「誠意」を形にする方法を考えようという温かいメッセージが記されている。
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監修・執筆:弁護士 横田 秀俊 福井弁護士会所属

日本弁護士連合会の中小企業法律支援センター幹事を務め、中小企業の法的支援体制の構築に携わる。
福井県内地域においては、福井県事業承継・引継ぎ支援センターのエリアコーディネーターとして、数多くの事業引継ぎや経営課題の解決を主導。
法律のプロフェッショナルとして、緻密な法理と現場主義を両立させた的確なアドバイスを提供している。

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