COLUMNコラム
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離婚裁判になったら|かかる期間・費用と、認められる離婚原因
離婚 2026.07.24.

Dさん

横田

Dさん

横田

裁判で離婚が認められる「法定離婚原因」
協議離婚や調停離婚は、夫婦がお互いに合意すれば、理由を問わず成立します。しかし、裁判離婚は違います。
相手が離婚に反対していても判決で離婚を成立させるには、法律の定める離婚原因が存在しなければなりません。
民法770条1項は、裁判離婚が認められる事由として、次の5つを定めています。
- 不貞行為――配偶者に不貞な行為があったとき。
- 悪意の遺棄――配偶者から悪意で遺棄されたとき。正当な理由なく同居・協力・扶助の義務を放棄する場合などです。
- 3年以上の生死不明――配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
- 回復しがたい強度の精神病――配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
- 婚姻を継続し難い重大な事由――そのほか、婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
①から④は、比較的はっきりした事情です。これに対し、⑤の「婚姻を継続し難い重大な事由」は、ひとことで言えば夫婦関係が修復不可能なまでに破綻している場合を広く受け止める、いわば受け皿のような規定です。実務では、この⑤が問題になる場面が非常に多くなっています。
裁判で離婚を求めるには、これらのいずれかに当てはまることを、証拠をもって主張・立証する必要があります。「もう気持ちが冷めた」という事情だけでは足りず、客観的に破綻が認められるかどうかが問われます。
ここが、合意さえあれば理由を問わない協議離婚・調停離婚との決定的な違いです。
したがって、裁判を視野に入れるなら、日頃から証拠を集めておくことが極めて重要になります。
不貞であれば写真やメッセージのやり取り、暴力であれば診断書や写真、悪意の遺棄であれば生活費を渡さなかった経緯の記録などです。「いざ裁判」となってから慌てて集めようとしても、すでに手に入らなくなっていることが少なくありません。
離婚を考え始めた段階で、何が証拠になり得るかを意識しておくことが大切です。



実務で多い「婚姻を継続し難い重大な事由」
5つの離婚原因の中で、実務上もっとも多く主張されるのが、⑤の婚姻を継続し難い重大な事由です。これは具体的な事情を限定列挙したものではなく、さまざまな事情を総合して、夫婦関係が破綻しているかどうかを判断するものです。
たとえば、次のような事情がこれに当たり得ます。
- 長期間の別居――別居が長く続き、夫婦の実体が失われていると評価される場合。
- DV(身体的暴力)やモラルハラスメント――配偶者からの暴力や、人格を否定するような言動が続いている場合。
- 性格の不一致が深刻化し、修復が不可能な場合。
- 過度の浪費やギャンブル、配偶者への経済的圧迫など。
中でも、別居期間の長さは重要な要素とされています。別居が相当期間に及び、夫婦関係を元に戻す見込みがないと判断されれば、破綻が認められやすくなります。どの程度の期間が必要かは個別の事情によりますが、別居の事実は破綻を示す有力な材料になります。
ただし、注意したいのは、自ら不貞などの原因をつくった側(有責配偶者)からの離婚請求は、簡単には認められないという点です。離婚を切り出した経緯や、これまでの夫婦関係の歩みによって、判断は大きく変わります。
たとえば、有責配偶者からの請求であっても、別居が相当の長期間に及び、未成熟の子がおらず、相手が離婚によって過酷な状況に置かれないといった事情がそろえば、例外的に離婚が認められる余地もあるとされています。
つまり、「自分に非があるから一切離婚できない」とは限らないのです。
このように、同じ「破綻」といっても、どちらにどれだけ原因があるか、別居がどれくらい続いているか、子どもの状況はどうかといった要素が複雑に絡み合います。
ご自身のケースがどう評価されるかは、専門家に具体的な事情を伝えたうえで見通しを立てることをおすすめします。


裁判にかかる期間――判決まで、そして和解
「裁判は何年もかかる」とよく言われますが、実際のところはどうでしょうか。
離婚裁判は、訴えを起こしてから、おおむね1か月に1回程度のペースで期日が開かれます。双方が主張と証拠を出し合い、必要に応じて当事者や証人の尋問が行われます。争点が少なければ比較的早く進みますが、争点が多く対立が深い場合は、提訴から判決まで1年以上かかることも珍しくありません。
ただ、ここで知っておいていただきたいのは、離婚裁判は必ずしも判決で終わるとは限らないということです。
むしろ実務では、裁判の途中で和解が成立して解決するケースが非常に多いのです。裁判官が間に入り、双方が一定の条件で折り合えるよう調整することがあります。
和解であれば、判決を待つよりも早く、かつお互いが納得できる形で解決できる利点があります。
和解にはもう一つの利点があります。
判決は裁判官が一方的に下すものですから、必ずしも自分の望む内容になるとは限りません。
これに対し和解は、双方の合意で条件を決めるため、養育費の支払い方や面会交流のあり方など、判決では細かく定めにくい点まで、実情に合わせて柔軟に取り決めることができます。
離婚後も子どもを通じて関わりが続く場合などは、こうした柔軟さがかえって望ましい結果を生むこともあります。
したがって、「裁判=長期戦で必ず判決まで争う」というイメージは、必ずしも実態に合いません。途中で和解の道が開けることも多く、結果として思ったより早く区切りがつくこともあります。
大切なのは、判決と和解の双方を見据えながら、自分にとって何が最善かを冷静に判断していくことです。
見通しの立て方は事案によって大きく異なります。
当事務所は全国対応で、オンラインでのご相談も承っていますので、ご自身のケースの見通しについて、お気軽にご相談ください。


裁判にかかる費用の内訳
最後に、費用について整理しておきましょう。
離婚裁判にかかる費用は、大きく分けて裁判所に納める実費と弁護士費用の2つです。
裁判所に納める実費の主なものは、次のとおりです。
- 収入印紙――訴える内容に応じて金額が決まります。離婚のみを求める場合は1万円台が目安で、慰謝料や財産分与をあわせて請求すると、その金額に応じて加算されます。
- 郵便切手(郵券)――裁判所が書類を郵送するための費用で、数千円程度です。
これらの実費は、裁判全体から見れば大きな負担にはなりません。費用の中心となるのは、弁護士費用です。弁護士費用は、依頼する事務所や事案の難易度によって幅がありますが、一般的には着手金と、成功の度合いに応じた報酬金で構成されます。
弁護士費用の負担を心配される方のために、法テラス(日本司法支援センター)による費用の立替え制度など、利用できる支援が用意されている場合もあります。収入などの一定の要件を満たせば、弁護士費用を分割で支払える仕組みを使えることがあります。費用面で離婚そのものを諦めてしまう前に、こうした制度の利用可能性も含めて相談してみる価値は十分にあります。
費用と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、適切な解決を得られれば、養育費や財産分与、慰謝料といった形で、結果的にその費用を上回る利益が得られることもあります。費用倒れにならないかどうかも含め、依頼の前に見通しを丁寧に説明することが、私たちの務めだと考えています。
費用の具体的な金額や見通しについては、ご事情を伺ったうえでご説明します。漠然とした不安を抱えたままにせず、まずは一度ご相談いただければと思います。




まとめ
離婚裁判は、調停が不成立に終わった後の最終手段です。
判決で離婚が認められるには、民法770条の定める法定離婚原因が必要で、実務では「婚姻を継続し難い重大な事由」が多く問題になります。
期間は提訴から判決まで1年以上かかることもありますが、途中の和解で解決するケースも多くあります。
費用は裁判所の実費と弁護士費用が中心です。見通しを立てたうえで臨むことが大切です。


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横田

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