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離婚調停の流れ|申立てから成立まで、有利に進めるためのコツ

離婚 2026.07.23.

離婚調停の流れ|申立てから成立まで、有利に進めるためのコツ
夫と離婚の話し合いをしているのですが、養育費の金額でどうしても折り合えません。このままだと裁判になるのでしょうか。

Dさん

微笑

横田

いいえ、いきなり裁判にはなりません。離婚については、原則としてまず「調停」という話し合いの手続きを経ることになっています。これを調停前置主義といいます。調停は、裁判所の場を借りた話し合いだとお考えください。
裁判所と聞くと、夫と顔を合わせて言い争うことになりそうで、それだけで気が重いのですが……。

Dさん

微笑

横田

ご安心ください。調停では、原則としてご夫婦が交互に部屋に入って話をします。相手と直接顔を合わせて言い合う場ではありません。間に調停委員が入り、双方の言い分を整理してくれます。流れと進め方のコツを知っておけば、必要以上に恐れることはありません。順を追って見ていきましょう。
この記事でわかることとして、調停前置主義の仕組み、申立てから成立までの流れと当日の進み方、調停を有利に進めるための3つのコツという3点を示すスライド。

調停前置主義――まず調停から始まる

離婚を裁判で決着させたいと思っても、原則としていきなり離婚訴訟を起こすことはできません。

法律上、離婚についてはまず調停を申し立てなければならないとされています。これを調停前置主義といいます。

なぜ、このような仕組みになっているのでしょうか。それは、家庭の問題は、できる限り当事者の話し合いによる解決が望ましいと考えられているからです。いきなり白黒をつける裁判に進むのではなく、まずは互いに歩み寄る機会を設けるという趣旨です。

調停とは、家庭裁判所で行う話し合いの手続きです。

裁判官と、民間から選ばれた調停委員(通常は男女2名)が「調停委員会」を構成し、双方の言い分を聞きながら、合意による解決を目指します。あくまで話し合いですから、裁判のように一方的に結論を押し付けられるわけではありません。

調停で大切なのは、これが「勝ち負けを決める場」ではなく、「双方が納得できる着地点を探る場」だという点です。この性格を理解しておくと、構えすぎずに臨めるようになります。離婚そのものだけでなく、養育費・財産分与・面会交流・慰謝料といった条件も、まとめて話し合うことができます。

また、調停は弁護士に依頼しなくても、本人だけで進めることが認められています。

費用を抑えたい方にとっては利用しやすい手続きです。一方で、相手に弁護士がついている場合や、財産分与・親権など争点が複雑な場合には、本人だけで対応するのが難しいこともあります。どの程度の準備が必要かは事案によって異なりますので、まずは見通しだけでも専門家に確認しておくと安心です。

当事務所は福井県大野市にありますが、オンラインでの相談も承っており、全国どこからでもご利用いただけます。

離婚はいきなり裁判を起こせず原則としてまず調停から始まる調停前置主義があり、調停は家庭裁判所の場を借りた話し合いで合意による解決を目指すと説明するスライド。
調停は裁判のように一方的に結論を押し付けられる場ではなく、双方が納得できる着地点を探る場であり、離婚だけでなく養育費や財産分与なども話し合えると説明するスライド。

申立てから期日まで――手続きの流れ

調停は、次のような流れで進みます。

  1. 申立て――相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に、申立書や必要書類を提出します。費用は収入印紙と郵便切手代で、数千円程度です。
  2. 1回期日の指定――申立てから1か月前後で、第1回の期日(話し合いの日)が指定され、双方に通知が届きます。
  3. 期日での話し合い――指定された日に裁判所へ行き、調停委員を介して話し合います。1回で終わらないことが多く、おおむね月に1回程度のペースで数回続くのが一般的です。
  4. 成立または不成立――合意に至れば調停成立、まとまらなければ不成立(調停不成立)となります。

申立て自体は本人でもできますが、申立書には離婚を求める理由や希望する条件を記載する必要があり、ここで主張の方向性が定まります。最初の組み立てが後の展開に影響することもあるため、申立ての段階から弁護士に相談しておくと安心です。

第1回期日に向けては、申立書に書いた希望条件を改めて整理し、それを裏づける資料を手元にそろえておくとよいでしょう。

期日は1回あたり2時間程度が目安で、その中で双方が交互に話をするため、自分が話せる時間は限られています。だからこそ、伝えたいことを的を絞って準備しておくことが、限られた時間を有効に使うコツになります。

期日の回数は事案によってさまざまですが、争点が少なければ数回、対立が深ければ半年から1年以上かかることもあります。焦らず、一回一回の話し合いを丁寧に積み重ねていく姿勢が大切です。途中で気持ちが折れそうになることもありますが、調停は合意さえできれば確定判決と同じ効力のある解決にたどり着ける、価値ある手続きです。

調停の手続きの流れとして、家庭裁判所への申立て、第1回期日の指定、月1回程度の期日での話し合い、成立または不成立という4段階を示し、争点により数回から1年以上かかることもあると説明するスライド。
申立書には離婚を求める理由や希望条件を記載し最初の組み立てが後の展開に影響することがあるため早めの相談が安心で、期日は1回2時間程度で話せる時間が限られると説明するスライド。

調停当日の進み方――交互に話を聞く仕組み

調停当日の進み方を具体的にイメージしておきましょう。

多くの方が不安に思う「相手と顔を合わせるのか」という点から説明します。

調停では、ご夫婦は別々の待合室で待機し、調停委員が片方ずつ交互に調停室へ呼び入れて話を聞きます。

つまり、原則として相手と同じ部屋で向き合うことはありません。一方が話している間、もう一方は待合室で待つことになります。これにより、感情的な対立が激しいケースでも、冷静に自分の言い分を伝えることができます。

調停室では、まず申立てをした側が呼ばれ、離婚を求める理由や希望する条件を伝えます。次に相手方が呼ばれ、それに対する意見や考えを述べます。これを交互に繰り返しながら、調停委員が双方の主張を整理し、合意点を探っていきます。

待合室も、申立人側と相手方側で分けられているのが通常です。出入りの時間がずれるよう配慮されることもあり、暴力やつきまといの心配がある場合は、事前に裁判所へ伝えておくとさらに配慮を受けられます。

調停が成立すると、合意の内容が調停調書にまとめられます。

この調停調書は、確定判決と同じ効力を持ち、相手が約束を守らない場合には強制執行(差押えなど)の根拠になります。口約束とは比べものにならない強さを持つ書面です。

調停当日は夫婦が別々の待合室で待機し調停委員が交互に呼び入れて話を聞くため、原則として相手と顔を合わせずに済む仕組みだと説明するスライド。
調停室では申立人と相手方が交互に呼ばれ調停委員が主張を整理し、待合室も分けて配慮されること、成立すれば調停調書という確定判決と同じ効力を持つ書面が作られると説明するスライド。

有利に進めるための3つのコツ

最後に、調停を少しでも有利に進めるためのコツを3つお伝えします。

1つ目は、優先順位を整理しておくことです。

離婚に際して決めるべきことは多岐にわたります。すべてを100点で勝ち取ろうとすると、かえって話がまとまりません。「親権は絶対に譲れない」「養育費はこの金額を確保したい」「面会交流は柔軟でよい」といったように、自分にとって何が最も重要かをあらかじめ整理しておくと、譲るところと守るところのメリハリがつき、話し合いが前に進みやすくなります。

◎2つ目は、資料をしっかり準備することです。

調停委員は、提出された資料をもとに判断を進めます。たとえば養育費なら相手の源泉徴収票や給与明細、財産分与なら預貯金や不動産の資料、慰謝料を求めるなら不貞などの証拠です。客観的な資料があると、あなたの主張に説得力が生まれます。

◎3つ目は、冷静に事実と希望を伝えることです。

調停委員は中立の立場で双方の話を聞いています。感情的に相手を非難するばかりでは、かえって印象を損ねかねません。「何があったのか」という事実と、「どうしたいのか」という希望を、落ち着いて筋道立てて伝えることが、調停委員の理解と共感を得る近道です。長年の不満を一気に吐き出したくなる気持ちは自然なものですが、論点を絞って淡々と説明したほうが、結果として自分の言い分が伝わりやすくなります。

伝えたいことを事前にメモにまとめておくのも有効です。緊張すると、その場で言いたいことをうまく言えないものです。あらかじめ「これだけは伝えたい」という点を箇条書きにしておけば、落ち着いて話を進められます。調停委員はあなたの代弁者ではありませんが、あなたの主張を正しく理解できれば、相手方を説得する場面でそれを踏まえて動いてくれます。だからこそ、自分の言い分を分かりやすく整理して届けることが大切なのです。

これらのコツを踏まえれば、調停はぐっと進めやすくなります。とはいえ、主張の組み立てや資料の選び方には専門的な判断が必要な場面も多くあります。

当事務所は全国対応で、オンラインでのご相談も承っていますので、不安があればお気軽にお声がけください。

調停を有利に進めるコツの1つ目として、親権や養育費などすべてを100点で勝ち取ろうとせず、何が最も重要かという優先順位を整理しておくことを勧めるスライド。
調停を有利に進めるコツの2つ目として、養育費なら源泉徴収票、財産分与なら預貯金や不動産の資料、慰謝料なら不貞の証拠など客観的な資料をしっかり準備することを勧めるスライド。
調停を有利に進めるコツの3つ目として、中立な調停委員に対し感情的な非難ではなく事実と希望を冷静に筋道立てて伝えることを勧め、メモの活用も紹介するスライド。
調停が成立すると合意内容をまとめた調停調書が作られ、これは確定判決と同じ効力を持ち、相手が約束を守らない場合の強制執行の根拠になると説明するスライド。
調停は争いの場ではなく整理の場であり、優先順位がはっきりすれば譲る点と守る点が見えてくること、主張の組み立てや資料の選び方は遠方でもオンラインで相談できると案内するスライド。

まとめ

離婚調停は、裁判所の場を借りた話し合いの手続きです。

調停前置主義のもと、原則としてまず調停から始まります。

当日は相手と交互に話を聞く仕組みで、顔を合わせる心配は少なく済みます。成立すれば調停調書という強い効力を持つ書面が作られます。

優先順位の整理、資料の準備、冷静な伝え方という3つのコツを意識して臨みましょう。

離婚は調停前置主義によりまず調停から始まり、当日は相手と交互に話す仕組みで、成立すれば確定判決と同じ効力の調停調書が作られ、3つのコツを意識して臨むようまとめるスライド。

相手と直接やり合うわけではないと分かって、少し気が楽になりました。

Dさん

微笑

横田

それは何よりです。調停は争いの場というより、整理の場です。落ち着いて自分の希望を伝えれば、調停委員はきちんと耳を傾けてくれます。
ただ、何を一番に守るべきか、自分でもまだ整理しきれていません。

Dさん

微笑

横田

そこは一緒に整理していきましょう。優先順位がはっきりすると、どこで譲り、どこで踏ん張るかが見えてきます。それだけで結果は変わってきます。
資料の準備も含めて、相談しながら進めたいです。

Dさん

微笑

横田

ぜひそうしてください。遠方でもオンラインで打ち合わせができますので、安心しておまかせいただければと思います。

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監修・執筆:弁護士 横田 秀俊 福井弁護士会所属

日本弁護士連合会の中小企業法律支援センター幹事を務め、中小企業の法的支援体制の構築に携わる。
福井県内地域においては、福井県事業承継・引継ぎ支援センターのエリアコーディネーターとして、数多くの事業引継ぎや経営課題の解決を主導。
法律のプロフェッショナルとして、緻密な法理と現場主義を両立させた的確なアドバイスを提供している。

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