COLUMNコラム
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【慰謝料①】離婚で慰謝料が取れるケース・取れないケース
離婚 2026.07.18.

Dさん

横田

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横田

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横田

慰謝料は「離婚の対価」ではない
離婚の慰謝料について、多くの方が「離婚するのだから当然もらえるもの」と考えがちです。しかし、これは正確ではありません。
慰謝料とは、相手の違法な行為によって被った精神的な苦痛に対する賠償です。
法律的には、不法行為に基づく損害賠償の一種として位置づけられます。つまり、慰謝料が認められるためには、「相手に何らかの落ち度(有責行為)があり、それによって自分が精神的苦痛を受けた」という関係が必要なのです。
ですから、単に「離婚する」というだけでは、慰謝料は発生しません。夫婦のどちらにも特段の落ち度がなく、価値観の違いから円満に別れるようなケースでは、慰謝料を請求する根拠がそもそもないことになります。
慰謝料には、大きく分けて二つの側面があると説明されます。
一つは、不貞や暴力といった個別の有責行為そのものに対する慰謝料。
もう一つは、相手の有責行為が原因で婚姻関係が破綻し、離婚せざるを得なくなったことに対する慰謝料です。
実務上はこれらをまとめて「離婚慰謝料」として請求することが一般的ですが、いずれにせよ出発点は「相手の落ち度」だという点を押さえておく必要があります。
この前提を理解しておくと、「自分のケースで慰謝料が取れるのかどうか」を冷静に見極める助けになります。
逆にいえば、「相手が悪いに違いない」という思いだけで慰謝料を期待してしまうと、後で落胆することにもなりかねません。ご自身がつらい思いをしてきたことと、それが法律上の慰謝料につながるかどうかは、必ずしも一致しないからです。
長年の不満が積み重なって離婚を決意される方は多いのですが、その不満の中身が、法的に「相手の落ち度」と評価できるものなのかを、一歩引いて見直してみることが大切です。
これは決して、皆さんの苦しみを軽んじるものではありません。現実的な見通しを持って臨むことが、結果的にご自身を守ることにつながる、ということです。


慰謝料が取れる代表的なケース
慰謝料が認められやすいのは、相手の有責行為がはっきりしているケースです。
代表的なものを挙げます。
- 不貞行為(不倫):配偶者が他の異性と肉体関係を持った場合です。婚姻関係を裏切る典型的な有責行為であり、慰謝料が認められる代表例です。
- 暴力(DV)・モラハラ:身体的な暴力はもちろん、人格を否定する暴言、長期にわたる精神的な支配や侮辱なども、程度によっては慰謝料の対象になります。
- 悪意の遺棄:正当な理由なく同居を拒んだり、生活費を渡さなかったりして、夫婦としての義務を一方的に放棄する行為です。
これらに共通するのは、相手の行為が社会的に見て違法・不当だと評価できるという点です。
ただし、「取れる類型に当てはまる」ことと、「実際に取れる」ことは別問題です。
たとえば不貞があったとしても、それを裏づける証拠がなければ、相手が否認した場合に認めてもらうのは難しくなります。
モラハラについても、どの程度の言動が、どのくらいの期間続いたのかを具体的に示せるかどうかで、結論が変わってきます。
つまり、有責行為の存在に加えて、それを客観的に立証できるかが、慰謝料を現実に獲得できるかどうかの分かれ目になります。証拠の重要性については、不貞の慰謝料を扱う別の記事でも詳しくご説明します。
なお、これらの類型は、それぞれが単独で問題になることもあれば、複数が重なり合うこともあります。たとえば、不貞をきっかけに相手が家を出て生活費も渡さなくなれば、不貞と悪意の遺棄の両方が問題になり得ます。暴力とモラハラが同時に続いていたというケースも珍しくありません。
複数の有責行為が積み重なっている場合は、それぞれを丁寧に拾い上げて主張することで、慰謝料の評価が高まることもあります。
ご自身のケースで、何が「相手の落ち度」に当たるのかを、一つずつ整理してみることが大切です。


慰謝料が取りにくいケース
一方で、慰謝料の請求が難しいケースもあります。
代表的なものを見ていきましょう。
①性格の不一致
価値観や生活習慣が合わない、会話がかみ合わない、といった理由は、離婚原因としては十分にあり得ますが、どちらか一方の「落ち度」とは言えません。双方に責められるべき点がないため、慰謝料の根拠を欠くのが通常です。
②双方に同程度の責任がある場合
たとえば、夫婦げんかが絶えず、お互いに暴言を浴びせ合っていたようなケースでは、一方だけを有責とは評価しにくくなります。どちらにも非があると、慰謝料は認められにくいか、認められても低額にとどまります。
③証拠が不足している場合
実際には相手に不貞や暴力があったとしても、それを裏づける資料がまったくないと、相手が否認したときに行き詰まってしまいます。「あったはずだ」という主張だけでは、なかなか認められません。
さらに、性格の不一致を理由に長く別居し、すでに婚姻関係が事実上破綻していた後に相手が新しい交際を始めたようなケースでは、その交際が婚姻破綻の原因とは言えず、慰謝料が否定されることもあります。
このように、慰謝料が取りにくいケースには「落ち度の所在があいまい」「立証が難しい」という共通点があります。ご自身のケースがどちらに近いのかを見極めることが、無理のない方針を立てる第一歩になります。
ただし、「取りにくい」ことと「最初から諦めるべき」ことは違います。たとえば、当初は性格の不一致だと思っていた背景に、実はモラハラと評価できる継続的な言動があったというケースもあります。一見すると双方に責任があるように見えても、よく整理すると一方の落ち度がより重いと評価できることもあります。
表面的な印象だけで自己判断せず、事実を一つずつ振り返ってみることで、見え方が変わる場合があるのです。
だからこそ、慰謝料が取れるかどうかの最終的な見極めは、専門家と一緒に行うのが安心です。


慰謝料を請求する前に押さえておくこと
慰謝料を請求しようと考えたとき、感情のままに動く前に、いくつか整理しておきたい点があります。
①有責行為の有無と内容を具体的に確認する
「いつ」「誰が」「何をしたのか」を、できるだけ事実に即して書き出してみてください。漠然とした不満ではなく、具体的な出来事として整理できると、慰謝料の見込みが立てやすくなります。
②証拠を確保する
前述のとおり、有責行為があっても立証できなければ意味がありません。メッセージのやり取り、写真、日記、医療機関の診断書など、手元にある資料を散逸させないよう保管しておきましょう。
③慰謝料は金額に幅があるという現実を知っておく
同じ「不貞」でも、婚姻期間の長さ、行為の悪質さ、子どもの有無、離婚に至ったかどうかなどによって、認められる金額は大きく変わります。インターネット上で見かける相場は、あくまで目安にすぎません。
④早めに専門家に相談する
慰謝料が取れるケースかどうか、取れるとしてどの程度か、どんな証拠が必要かは、事案ごとに異なります。
当事務所は福井県大野市にございますが、オンラインでのご相談も承っており、地域を問わず全国の方に対応しています。
一人で悩まず、見通しを立てるところから始めていただければと思います。




まとめ
慰謝料は離婚そのものの対価ではなく、相手の有責行為に対する賠償です。
不貞・暴力・悪意の遺棄などは取れる代表例ですが、性格の不一致、双方に同程度の責任があるケース、証拠が不足するケースでは取りにくくなります。
有責行為の有無と証拠の有無を冷静に整理することが、現実的な方針づくりの出発点です。



Dさん

横田

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