COLUMNコラム

もっと身近な法律を。横田秀俊法律事務所のコラムをお届けします。

  1. TOP
  2. COLUMN
  3. 【面会交流】親子交流のルール改正|試行的実施と取り決めのポイント

【面会交流】親子交流のルール改正|試行的実施と取り決めのポイント

離婚 2026.07.14.

【面会交流】親子交流のルール改正|試行的実施と取り決めのポイント
離婚後、子どもと月に一度会う約束をしたのですが、いざとなると相手が「今日は都合が悪い」と言って、なかなか会わせてもらえません。こういう場合、どうすればよいのでしょうか。

Bさん

微笑

横田

面会交流をめぐるご相談は本当に多いです。約束はしたものの、頻度や方法が曖昧だったために、後からこじれてしまうケースが目立ちます。実は令和8年4月の改正で、面会交流についても新しい仕組みが設けられました。
そうなんですね。どんな改正があったのでしょうか。

Bさん

微笑

横田

一つは、家庭裁判所が「試行的な親子交流」を促せるようになったことです。もう一つは、婚姻中の別居期間における親子交流についても、話し合いがまとまらなければ家庭裁判所が定められるようになったことです。順にご説明しましょう。
婚姻中の別居でも、ですか。今まさに別居中で会えていないので、それは知りたいです。

Bさん

微笑

横田

ええ、これは大きな変化です。あわせて、トラブルを防ぐための取り決め方のコツもお伝えします。当事務所は全国対応ですので、遠方の方も同じようにご相談いただけます。
この記事でわかることとして、面会交流は子どもが両親と関わり続けるための仕組みであること、令和8年4月改正で新設された試行的実施と別居中の親子交流の仕組み、取り決めのポイントの3点を挙げている。

面会交流とは何か——子どもの視点で考える

面会交流(親子交流)とは、離婚や別居によって子どもと離れて暮らすことになった親が、子どもと定期的に会ったり、連絡を取り合ったりすることをいいます。

ここで大切なのは、面会交流は「会いたい親のための権利」というよりも、「子どもが両方の親と関わり続けるための仕組み」だという視点です。

夫婦としては別れることになっても、子どもにとっては、父も母も、変わらず親であり続けます。一方の親と引き離されることは、子どもの心の成長にとって望ましくないことも多く、だからこそ面会交流は、子どもの利益(子の福祉)を最優先に考えて行われます。

もっとも、すべての場合に面会交流が行われるべきというわけではありません。

たとえば、子どもに対する虐待のおそれがある場合や、子ども自身が強く拒んでいる場合など、面会交流がかえって子どもに悪影響を及ぼすと考えられる事情があるときには、制限されたり、慎重な対応がとられたりします。

つまり、面会交流は「会わせる・会わせない」を親の感情で決めるものではなく、あくまで子どもにとってどうあるべきかを軸に考えるべきものなのです。

実際のご相談では、「相手に養育費を払ってもらえないから、子どもにも会わせたくない」「離婚の原因をつくった相手に会わせるのは納得できない」といったお気持ちを伺うことがあります。お気持ちはよくわかりますが、面会交流と養育費は本来別の問題であり、また、夫婦としての対立と、親子としての関係も切り分けて考える必要があります。子どもにとっては、両親が別れた事情とは関係なく、どちらも大切な親です。親同士の感情を子どもとの面会に持ち込むと、結局は子どもがその板挟みになってしまいます。難しいことですが、子どもの目線に立ち返ることが、面会交流を考えるうえでの土台になります。

面会交流は「会いたい親の権利」ではなく「子どもが両親と関わり続ける仕組み」であり、子どもの利益(子の福祉)を最優先に考えて行われるものだという基本的な視点を説明している。
面会交流は常に行われるべきとは限らず、虐待のおそれや子ども自身が強く拒む場合など悪影響が考えられる事情があれば制限され得ること、養育費とは別の問題として切り分けて考える必要性を説明している。

【改正】家庭裁判所が「試行的実施」を促せるように

令和8年4月に施行された改正民法では、面会交流に関して新しい規定が設けられました。

その一つが、家庭裁判所による「試行的実施」を促す仕組みです。

これは、面会交流をめぐって父母の対立が深く、すぐに本格的な交流を始めるのが難しいような場合に、まず試験的に交流をやってみる、という考え方に基づくものです。

具体的には、家庭裁判所が、子の心身の状態に照らして相当でない事情がなく、かつ、事実の調査に必要があると認めるときに、試行的な親子交流の実施を促すことができるとされました。

なぜこうした仕組みが必要なのでしょうか。

面会交流について争いがあるとき、「会わせて本当に大丈夫なのか」「子どもはどう反応するのか」が、書面のやりとりだけでは見えにくいことがあります。そこで、いきなり結論を出すのではなく、まず実際に試してみることで、子どもの様子や交流の実情を確かめ、それを今後の判断材料にしようというわけです。

これによって、対立が激しいケースでも、子どもの負担に配慮しながら、段階的に交流のあり方を探っていくことが期待されています。ただし、あくまで「子の心身に照らして相当でない事情がないこと」が前提とされており、子どもの利益を損なってまで実施されるものではありません。たとえば、子どもに対する虐待が疑われるような事情があれば、試行的実施が促されることはありません。

試行的実施では、家庭裁判所の調査官が立ち会ったり、専用の部屋で交流の様子を確認したりすることもあります。そうした場で、子どもが離れて暮らす親とどのように接するのか、不安や緊張がないか、といった点が観察されます。実際にやってみることで、書面上の主張だけではわからなかった親子の関係性が見えてくることも少なくありません。

会わせることに不安を抱いている側にとっても、安全に配慮された環境でまず試してみられるという点で、意味のある仕組みだといえます。

改正で家庭裁判所が「試行的実施」を促せるようになったと説明。対立が深く本格的な交流が難しい場合にまず試験的に交流を行い、調査官の立会いなどで子どもの様子を確認する仕組みを紹介している。
試行的実施で「やってみる」ことにより、書面上の主張だけではわからなかった親子の関係性が見えてくること、会わせることに不安がある側も安全な環境でまず試せる意味があることを説明している。

【改正】婚姻中の別居でも、親子交流を家裁が定められる

もう一つの重要な改正は、婚姻中の別居期間における親子交流についてです。

これまで、離婚後の面会交流については家庭裁判所で定めることができましたが、まだ離婚していない別居の段階での親子交流については、ルールが必ずしも明確ではありませんでした。実際には、別居して子どもと会えなくなってしまい、離婚の話がまとまるまで何か月も、ときには何年も子どもと会えない、という方が少なくなかったのです。

改正後は、婚姻中であっても、父母が別居している場合の親子交流について、話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所が審判などによって定めることができるようになりました。

これは、別居中に子どもと会えずに悩んでいる親にとって、大きな意味を持つ変化です。

離婚が成立するまで待たなければならなかった従来の状況に比べ、別居の段階から、子どもとの関わりを確保するための手続をとれるようになったわけです。もちろん、ここでも判断の軸になるのは子どもの利益です。別居中の親子交流が子どもにとって望ましいかどうかが、慎重に検討されます。

今まさに別居中で子どもに会えずにいる方は、こうした手続を活用できる可能性があります。

一人で抱え込まず、早めに相談していただきたい場面です。

改正2として、婚姻中の別居段階でも親子交流のルールを家庭裁判所が定められるようになったと説明。これまで明確でなかった別居中の交流について、話し合いが調わなければ審判等で定められる。
これまでは離婚成立まで何か月も何年も子どもに会えない方が少なくなかったが、改正後は離婚成立を待たずに別居中から手続をとれるようになったこと、早めの相談を勧める旨を説明している。

トラブルを防ぐ取り決めのポイント

面会交流をめぐるトラブルの多くは、取り決めが「曖昧」だったことに原因があります。冒頭のご相談のように、「月に一度会う」とだけ決めても、いつ、どこで、どのように会うのかがはっきりしていなければ、その都度もめることになりかねません。

トラブルを防ぐためには、頻度だけでなく、できるだけ具体的に取り決めておくことが重要です。

たとえば、次のような項目を一つずつ詰めておくとよいでしょう。

  1. 頻度:月に何回、あるいは何週間に一度といった回数。
  2. 日時:第何週の土曜日など、具体的な曜日や時間帯。
  3. 場所:どこで会い、どこへ送り届けるか。
  4. 受け渡しの方法:誰が、どこで子どもを引き渡し、誰が連れ帰るか。
  5. 宿泊の可否:泊まりがけの交流を認めるかどうか。
  6. 連絡手段:電話やメッセージなどでのやりとりを認めるか、その方法は何か。
  7. 学校行事への参加:運動会や発表会などへの参加をどうするか。

ここまで具体的に決めておけば、「言った・言わない」の争いが起きにくく、子どもにとっても見通しの立つ安定した交流になります。

もちろん、子どもの成長や生活の変化に応じて、取り決めを見直すことも必要になります。

あまりに細かく縛りすぎると、かえって柔軟性を失うこともありますので、そのバランスも大切です。どこまで決め、どこを柔軟にしておくかは、ケースによって異なります。

面会交流の取り決めが曖昧だとトラブルの原因になると指摘し、頻度・日時・場所や受け渡し方法・宿泊の可否・連絡手段・学校行事への参加など具体的に詰めておくべき項目を挙げている。
取り決めは具体的にしつつ縛りすぎないことが大切と説明。具体的に決めれば言った言わないの争いが起きにくい一方、子どもの成長に応じて見直せる柔軟さも残す必要があることを伝えている。
養育費の不払いなどへの感情と子どもの目線は切り分けて考えるべきと説明。子どもにとって両親が別れた事情とは関係なくどちらも大切な親であり、子どもの目線に立ち返ることが土台になるとしている。
曖昧なまま取り決めてこじれている場合でも調停などで見直せること、別居中で会えていない場合も離婚成立を待たず家庭裁判所で親子交流を定められることを、あらためて説明している。
会えずに困っているなら早めに手を打つべきと説明。時間が経つほど関係の築き直しが難しくなること、試行的実施や別居中の手続など活用できる仕組みが広がっていること、オンライン相談対応を紹介。

まとめ

面会交流は、子どもが両親と関わり続けるための仕組みであり、子どもの利益を最優先に考えるものです。

令和8年4月の改正で、家庭裁判所が試行的な親子交流を促せるようになり、婚姻中の別居期間でも話し合いが調わなければ家裁が定められるようになりました。

取り決めの際は、頻度だけでなく、日時・場所・受け渡し・宿泊・連絡手段などを具体的に決めておくことが、トラブルを防ぐ鍵になります。

この記事の要点として、面会交流は子の利益を最優先する仕組みであること、試行的実施の新設、婚姻中の別居でも家裁が交流を定められること、具体的な取り決めがトラブル防止の鍵であることをまとめている。

取り決めが曖昧だったから、もめていたのだと気づきました。日時や受け渡しの方法まで決めておけばよかったのですね。

Bさん

微笑

横田

そうなんです。具体的に決めておくほど、お互いに迷いがなくなり、子どもも安心できます。すでに取り決めている内容も、必要なら調停などで見直すことができますよ。
実は今、別居中で子どもに会えていないのですが、離婚するまで待つしかないと思っていました。

Bさん

微笑

横田

いいえ、その必要はありません。改正によって、別居中でも親子交流を家庭裁判所で定められるようになりました。会えずにお困りなら、早めに手を打つことをお勧めします。
それを聞いて少し希望が持てました。一度きちんと相談に伺います。

Bさん

微笑

横田

ぜひお越しください。当事務所は全国対応で、オンラインでのご相談も承っています。お子さんとの時間を取り戻せるよう、一緒に進めていきましょう。

【お問い合わせ】

ご相談は、ご来所のほか、オンライン(ZOOM、Google Meetなど)でも承っております。

当事務所は福井県大野市にございますが、地域を問わず全国のご相談・ご依頼に対応しています。

相談料は30分5,500円(税込)です。

お支払いは、対面でのカード決済およびQRコード決済(PayPayは非対応)に対応しております。

なお、メールでのご相談受付は行っておりません。

〒912-0087 福井県大野市城町8番6号 弁護士法人横田秀俊法律事務所

電話:0779-64-4099

「ご相談のご案内」として、迷っている段階の相談も歓迎する旨を紹介。来所のほかオンラインで全国対応、相談料は30分5,500円(税込)、弁護士法人横田秀俊法律事務所(福井県大野市)、電話0779-64-4099を掲載。
アバター画像

監修・執筆:弁護士 横田 秀俊 福井弁護士会所属

日本弁護士連合会の中小企業法律支援センター幹事を務め、中小企業の法的支援体制の構築に携わる。
福井県内地域においては、福井県事業承継・引継ぎ支援センターのエリアコーディネーターとして、数多くの事業引継ぎや経営課題の解決を主導。
法律のプロフェッショナルとして、緻密な法理と現場主義を両立させた的確なアドバイスを提供している。

pagetop