COLUMNコラム
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【面会交流】親子交流のルール改正|試行的実施と取り決めのポイント
離婚 2026.07.14.

Bさん

横田

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面会交流とは何か——子どもの視点で考える
面会交流(親子交流)とは、離婚や別居によって子どもと離れて暮らすことになった親が、子どもと定期的に会ったり、連絡を取り合ったりすることをいいます。
ここで大切なのは、面会交流は「会いたい親のための権利」というよりも、「子どもが両方の親と関わり続けるための仕組み」だという視点です。
夫婦としては別れることになっても、子どもにとっては、父も母も、変わらず親であり続けます。一方の親と引き離されることは、子どもの心の成長にとって望ましくないことも多く、だからこそ面会交流は、子どもの利益(子の福祉)を最優先に考えて行われます。
もっとも、すべての場合に面会交流が行われるべきというわけではありません。
たとえば、子どもに対する虐待のおそれがある場合や、子ども自身が強く拒んでいる場合など、面会交流がかえって子どもに悪影響を及ぼすと考えられる事情があるときには、制限されたり、慎重な対応がとられたりします。
つまり、面会交流は「会わせる・会わせない」を親の感情で決めるものではなく、あくまで子どもにとってどうあるべきかを軸に考えるべきものなのです。
実際のご相談では、「相手に養育費を払ってもらえないから、子どもにも会わせたくない」「離婚の原因をつくった相手に会わせるのは納得できない」といったお気持ちを伺うことがあります。お気持ちはよくわかりますが、面会交流と養育費は本来別の問題であり、また、夫婦としての対立と、親子としての関係も切り分けて考える必要があります。子どもにとっては、両親が別れた事情とは関係なく、どちらも大切な親です。親同士の感情を子どもとの面会に持ち込むと、結局は子どもがその板挟みになってしまいます。難しいことですが、子どもの目線に立ち返ることが、面会交流を考えるうえでの土台になります。


【改正】家庭裁判所が「試行的実施」を促せるように
令和8年4月に施行された改正民法では、面会交流に関して新しい規定が設けられました。
その一つが、家庭裁判所による「試行的実施」を促す仕組みです。
これは、面会交流をめぐって父母の対立が深く、すぐに本格的な交流を始めるのが難しいような場合に、まず試験的に交流をやってみる、という考え方に基づくものです。
具体的には、家庭裁判所が、子の心身の状態に照らして相当でない事情がなく、かつ、事実の調査に必要があると認めるときに、試行的な親子交流の実施を促すことができるとされました。
なぜこうした仕組みが必要なのでしょうか。
面会交流について争いがあるとき、「会わせて本当に大丈夫なのか」「子どもはどう反応するのか」が、書面のやりとりだけでは見えにくいことがあります。そこで、いきなり結論を出すのではなく、まず実際に試してみることで、子どもの様子や交流の実情を確かめ、それを今後の判断材料にしようというわけです。
これによって、対立が激しいケースでも、子どもの負担に配慮しながら、段階的に交流のあり方を探っていくことが期待されています。ただし、あくまで「子の心身に照らして相当でない事情がないこと」が前提とされており、子どもの利益を損なってまで実施されるものではありません。たとえば、子どもに対する虐待が疑われるような事情があれば、試行的実施が促されることはありません。
試行的実施では、家庭裁判所の調査官が立ち会ったり、専用の部屋で交流の様子を確認したりすることもあります。そうした場で、子どもが離れて暮らす親とどのように接するのか、不安や緊張がないか、といった点が観察されます。実際にやってみることで、書面上の主張だけではわからなかった親子の関係性が見えてくることも少なくありません。
会わせることに不安を抱いている側にとっても、安全に配慮された環境でまず試してみられるという点で、意味のある仕組みだといえます。


【改正】婚姻中の別居でも、親子交流を家裁が定められる
もう一つの重要な改正は、婚姻中の別居期間における親子交流についてです。
これまで、離婚後の面会交流については家庭裁判所で定めることができましたが、まだ離婚していない別居の段階での親子交流については、ルールが必ずしも明確ではありませんでした。実際には、別居して子どもと会えなくなってしまい、離婚の話がまとまるまで何か月も、ときには何年も子どもと会えない、という方が少なくなかったのです。
改正後は、婚姻中であっても、父母が別居している場合の親子交流について、話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所が審判などによって定めることができるようになりました。
これは、別居中に子どもと会えずに悩んでいる親にとって、大きな意味を持つ変化です。
離婚が成立するまで待たなければならなかった従来の状況に比べ、別居の段階から、子どもとの関わりを確保するための手続をとれるようになったわけです。もちろん、ここでも判断の軸になるのは子どもの利益です。別居中の親子交流が子どもにとって望ましいかどうかが、慎重に検討されます。
今まさに別居中で子どもに会えずにいる方は、こうした手続を活用できる可能性があります。
一人で抱え込まず、早めに相談していただきたい場面です。


トラブルを防ぐ取り決めのポイント
面会交流をめぐるトラブルの多くは、取り決めが「曖昧」だったことに原因があります。冒頭のご相談のように、「月に一度会う」とだけ決めても、いつ、どこで、どのように会うのかがはっきりしていなければ、その都度もめることになりかねません。
トラブルを防ぐためには、頻度だけでなく、できるだけ具体的に取り決めておくことが重要です。
たとえば、次のような項目を一つずつ詰めておくとよいでしょう。
- 頻度:月に何回、あるいは何週間に一度といった回数。
- 日時:第何週の土曜日など、具体的な曜日や時間帯。
- 場所:どこで会い、どこへ送り届けるか。
- 受け渡しの方法:誰が、どこで子どもを引き渡し、誰が連れ帰るか。
- 宿泊の可否:泊まりがけの交流を認めるかどうか。
- 連絡手段:電話やメッセージなどでのやりとりを認めるか、その方法は何か。
- 学校行事への参加:運動会や発表会などへの参加をどうするか。
ここまで具体的に決めておけば、「言った・言わない」の争いが起きにくく、子どもにとっても見通しの立つ安定した交流になります。
もちろん、子どもの成長や生活の変化に応じて、取り決めを見直すことも必要になります。
あまりに細かく縛りすぎると、かえって柔軟性を失うこともありますので、そのバランスも大切です。どこまで決め、どこを柔軟にしておくかは、ケースによって異なります。





まとめ
面会交流は、子どもが両親と関わり続けるための仕組みであり、子どもの利益を最優先に考えるものです。
令和8年4月の改正で、家庭裁判所が試行的な親子交流を促せるようになり、婚姻中の別居期間でも話し合いが調わなければ家裁が定められるようになりました。
取り決めの際は、頻度だけでなく、日時・場所・受け渡し・宿泊・連絡手段などを具体的に決めておくことが、トラブルを防ぐ鍵になります。


Bさん

横田

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