COLUMNコラム
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【共同親権③】DV・モラハラがある場合|共同親権は避けられるのか
離婚 2026.07.10.

Cさん

横田

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横田

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DV・虐待があるとき、共同親権は強制されない
令和8年4月から共同親権を選べるようになることで、DVやモラハラ、虐待に苦しんできた方が「これからも加害者である元配偶者と関わり続けなければならないのか」と強い不安を抱えるのは、無理もないことです。
しかし、まず安心していただきたい点があります。
共同親権は、いかなる場合にも強制される制度ではありません。
とりわけ、DVや虐待があるケースについては、無理に共同親権とすることは想定されていません。
新しい制度は、「離婚後も双方の親が子の養育に関わり続けることが、子のためになる」という前提に立っています。しかし、一方の親から他方の親や子へのDV・虐待があるような場合には、この前提そのものが成り立ちません。むしろ、加害者と被害者を親権を通じて結びつけ続けることは、被害者や子をさらなる危険にさらすおそれがあります。
そこで法律は、DVや虐待があるなど、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められる場合には、家庭裁判所は単独親権を定めなければならないとしています。
つまり、こうしたケースでは、単独親権が原則的な対処となるのです。
協議離婚であれば、まず父母の話し合いで親権の形を決めますが、DVや虐待がある関係では、対等な話し合いそのものが難しいことが少なくありません。そうした場合は、無理に協議で合意しようとせず、家庭裁判所の手続きを通じて、単独親権を求めていくことになります。
「共同親権が始まるから、加害者と関わり続けるしかない」というのは誤解です。
子と自分の安全を守るために、単独親権を選ぶ道は、制度上きちんと確保されています。
この点を、まず知っておいてください。
実際、この改正をめぐっては、「DV被害者が加害者から逃れられなくなるのではないか」という懸念が、制度づくりの過程でも繰り返し議論されてきました。その結果、DVや虐待があるケースでは単独親権とすることが、制度の中にしっかりと位置づけられています。つまり、被害を受けてきた方の安全を守ることは、この制度が当然に予定している前提なのです。怖がって声を上げられないまま不利な結論を受け入れてしまう、ということがないよう、まずは「守られる道がある」と知ることから始めてください。


家庭裁判所の判断基準は「子の利益」
では、家庭裁判所はどのような基準で、共同親権とするか単独親権とするかを判断するのでしょうか。
その答えは、一貫して「子の利益」です。
家庭裁判所は、父母のどちらの希望が強いかではなく、子にとって何が最も望ましいかという観点から判断します。そして、DVや虐待がある場合、それは子の利益を考えるうえで決定的に重要な事情として扱われます。
たとえば、次のような事情があるとき、共同親権はふさわしくないと判断されやすくなります。
- 一方の親から他方の親への身体的・精神的な暴力(DV)があった
- 一方の親から子への虐待があった
- 父母の対立が深刻で、子の養育について冷静に協力して話し合うことが期待できない
- 共同で親権を行うことが、かえって子を不安定な状況に置く
これらの事情が認められる場合、家庭裁判所は「共同して親権を行うことが困難である」あるいは「子の利益を害する」と判断し、単独親権を定めます。
ここで強調しておきたいのは、DVや虐待の被害は、必ずしも目に見える傷として残るとは限らない、ということです。配偶者からの暴力は、身体的なものだけでなく、言葉や態度による精神的なもの、生活費を渡さないといった経済的なものなど、さまざまな形をとります。家庭裁判所の判断においても、こうした多様な形の支配や暴力が考慮の対象になります。
子の利益を守るために、自分や子が置かれてきた状況を、家庭裁判所にきちんと伝えること。
これが何より大切です。そのための具体的な工夫を、次の章で見ていきましょう。


身体的暴力に限らない|モラハラ・経済的支配と証拠の工夫
DVというと、殴る・蹴るといった身体的な暴力を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、配偶者からの暴力は、身体的なものに限られません。
次のような形のものも、家庭裁判所の判断において評価の対象になります。
- モラハラ(精神的暴力):人格を否定する暴言、無視、過度な束縛、脅し、絶え間ない非難など
- 経済的支配:生活費を渡さない、収入を独占する、お金の使い道を細かく監視・制限するなど
- 社会的隔離:交友関係を断たせる、外出や連絡を制限するなど
これらは、身体への暴力と同じく、被害者を追い詰め、支配する深刻な行為です。共同親権がふさわしいかを判断するうえでも、当然に考慮されます。
ただし、ここで一つの課題があります。
それは、こうした精神的・経済的な暴力は、身体的暴力に比べて形に残りにくく、証拠を示すのが難しいという点です。
あざや診断書のような分かりやすい証拠がない分、被害を客観的に裏づける工夫が必要になります。
証拠として有効になり得るものには、たとえば次のようなものがあります。
- 暴言や脅しのやり取りが残るメールやLINE、SNSのメッセージ
- 録音した音声(会話の記録)
- 出来事を日付とともに記録した日記やメモ
- 第三者(家族、友人、職場、相談機関など)への相談の記録
- 配偶者暴力相談支援センターや警察、自治体の相談窓口に相談した履歴
- 心身の不調で通院した場合の医療記録
これらは、一つひとつは小さくても、積み重ねることで被害の実態を浮かび上がらせる力をもちます。
どのような事実を、どの証拠で、どう組み立てて主張するかは、結果を大きく左右する専門的な部分です。何が証拠になるのか分からない、どう集めればよいか分からない、という段階でこそ、早めに専門家に相談する意味があります。
なお、証拠集めにあたっては、ご自身の安全を最優先にしてください。相手を刺激して、かえって危険な状況を招くことは避けなければなりません。すでに別居している場合でも、相手に気づかれないよう、また安全な範囲で記録を残すことが大切です。何をどこまで集めるべきか迷ったときは、自己判断で動く前に、弁護士や各自治体の配偶者暴力相談支援センターなどの専門窓口に相談してから進めると安心です。
また、過去のことだから今さら証拠は残っていない、とあきらめる必要もありません。当時のメールやメッセージが端末やクラウドに残っていたり、相談した相手の記憶が証言につながったりすることもあります。「これは証拠にならないだろう」と自分で判断して捨ててしまう前に、まずは専門家に見てもらうことをおすすめします。




弁護士が窓口になり、安全に手続きを進める
DVやモラハラのある関係で離婚や親権の手続きを進めるとき、被害を受けてきた方が最も恐れるのは、「加害者と直接やり取りしなければならないこと」です。
しかし、ここに弁護士に依頼する大きな意味があります。
弁護士が代理人として窓口になれば、相手とのやり取りはすべて弁護士を通じて行われ、依頼者が加害者と直接顔を合わせたり、連絡を取り合ったりする必要がなくなります。
これは、心身の安全を守るうえで、非常に大きな意味をもちます。
弁護士が関与することで、たとえば次のような支援が可能になります。
- 相手方との交渉・連絡をすべて代理し、依頼者が直接対応せずにすむようにする
- 家庭裁判所の調停・審判の手続きを代理人として進める
- DVやモラハラの実態を、証拠とともに法的に整理して主張する
- 単独親権を求める申し立てや、子の利益を守るための主張を組み立てる
- 必要に応じて、保護命令など身の安全を守る制度の利用を検討する
DVや虐待がある場合、家庭裁判所も子の安全に十分に配慮した運用を行いますが、被害者自身がその仕組みを一人で使いこなすのは容易ではありません。
弁護士という専門家が間に立つことで、安全を確保しながら、子の利益を守る手続きを着実に進めることができます。
「もう一人では抱えきれない」「相手と関わるのがこわい」という状況こそ、専門家を頼っていただきたい場面です。当事務所は福井県大野市にございますが、オンライン相談(ZOOM、Google Meetなど)にも対応しており、地域を問わず全国のご相談を承っています。
遠方にお住まいの方や、外出に不安のある方でも、ご自宅から安全に相談していただけます。
DVやモラハラに苦しんできた方が、子とともに安心して新しい生活を始められるよう、私たちは力を尽くします。どうか一人で抱え込まず、声を上げてください。


まとめ
DVや虐待があり、共同で親権を行うことが困難な場合、家庭裁判所は子の利益を基準に単独親権を定めます。
身体的暴力に限らず、モラハラや経済的支配も評価の対象ですが、形に残りにくい分、証拠の示し方に工夫が要ります。
弁護士が窓口になれば、加害者と直接やり取りせず、安全に手続きを進められます。



Cさん

横田

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横田

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