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【ニュース解説】旭川女子高校生殺害事件 共犯者の「証人尋問」とは? 証言はどこまで信用されるのかを弁護士が解説
ニュース解説 2026.06.03.

相談者

横田

相談者

横田
2024年に北海道で起きた女子高校生殺害事件の裁判で、すでに有罪が確定している共犯とされる女性が、罪を争う被告の裁判に証人として出廷し、その証言が大きく報じられました。
共犯だった人が、別の人の裁判で相手に不利な証言をする──こうした場面に戸惑う方も少なくありません。
この記事では、このニュースをきっかけに、刑事裁判の「証人尋問」の仕組みと、共犯者の証言がどこまで信用されるのかを解説します。

~目次~
証人尋問とは何か
証人尋問とは、裁判官や裁判員の前で、証人が自分の体験した事実を語り、当事者がそれに質問していく手続きです。
刑事裁判では、検察官と弁護人の双方が証人に質問し、ときには裁判官も補充の質問をします。
ここで語られるのは、あくまでその人が直接見たり聞いたりした事実であって、人づての話や単なる推測は、原則として証拠になりません。
証人には、正直に話す法律上の義務があります。
法廷では、良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないという趣旨の宣誓をしてから証言します。
もし嘘をつけば偽証罪に問われることもあります。
つまり証人尋問は、ただ話を聞く場ではなく、責任を伴った重い手続きなのです。


誰が証人になるのか──共犯者が法廷に立つ理由
事件を直接見た人、被害者、捜査に関わった警察官など、事件について語れる立場の人は、原則として誰でも証人になり得ます。
報道で「共犯とされる人が証人として出廷した」と伝えられることがありますが、これは決して珍しいことではありません。
一つの事件に複数の関与者がいる場合、裁判はそれぞれ別々に進むことがあります。
先に一人の裁判が終わって有罪が確定すると、その人は、別の関与者の裁判に証人として呼ばれることがあるのです。
自分の裁判がすでに決着していれば、もはや被告人ではなく、第三者である証人として法廷に立つことになります。


共犯者の証言はなぜ慎重に扱われるのか
ここが一番大切なところです。
共犯とされる人の証言は、事件の中心にいた人物の話ですから、内容は具体的で重みがあります。
その一方で、その人には、自分を少しでも有利に見せたい、あるいは責任を相手に押しつけたいという気持ちが働くことも否定できません。
だからこそ、共犯者の証言はそのまま信じてよいわけではないと考えられています。
裁判所は、語られた内容だけで結論を出すのではなく、本当に信用できるかどうかを一つひとつ確かめていきます。
これを証言の信用性の吟味といいます。


裁判所は証言の信用性をどう判断するのか
裁判所が証言を評価するとき、いくつかの視点があります。主なものを挙げると、次のとおりです。
- 客観的な証拠と矛盾していないか。たとえば防犯カメラの映像や物の状態と食い違っていないか。
- 話の内容が、時間の流れや状況からみて自然か、不自然な点はないか。
- 証言が一貫しているか、途中で大きく変わっていないか。
- その人に、嘘をつく動機があるかどうか。
これらを総合して、信用できる部分と、慎重に見るべき部分を見極めていきます。
仮に共犯者が一人で「相手がやった」と話しても、それを裏づける別の証拠がなければ、裁判所は簡単には事実と認めません。


「共謀」と共同正犯の考え方
報道では「共謀して」という表現がよく出てきます。
これは、複数の人が示し合わせて一つの犯罪に関わったという意味です。
法律の世界では、自分が直接手を下していなくても、計画や役割分担に加わっていれば、実際に行為をした人と同じ責任を負うことがあります。これを共同正犯といいます。
だからこそ、誰がどこまで関わったのかが激しく争われます。
証人尋問は、その「関わりの程度」を明らかにするための重要な場面でもあるのです。


報道される事件から私たちが学べること
痛ましい事件の報道に触れると、つい結論を急ぎたくなります。
しかし刑事裁判は、限られた情報や一方の証言だけで人を裁いてはならないという原則のうえに成り立っています。
証人尋問が丁寧に行われるのも、誤った判断で取り返しのつかない結果を招かないためです。
そして、これは決して遠い世界の話ではありません。
交通事故やご近所のトラブルの目撃者として、ある日突然「証人になってほしい」と言われることもあり得ます。
証言の重みを知っておくことは、誰にとっても無駄にはなりません。


困ったときは弁護士に相談を
証人として呼ばれたとき、あるいは身近な人が事件に巻き込まれたとき、何をどう話せばよいのか不安になるのは当然のことです。
証言は記録に残り、裁判の行方を大きく左右します。
だからこそ、早い段階で弁護士に相談し、手続きの意味や注意すべき点を理解しておくことが大切です。


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