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給料やボーナスの差押えはいつ止まる?手取り額への影響と自己破産による解除の流れ

破産・再生 2026.03.02.

給料やボーナスの差押えはいつ止まる?手取り額への影響と自己破産による解除の流れ

借金の返済が苦しくなり、滞納が続いてしまうと、債権者から「給料の差押え(強制執行)」を予告されることがあります。

生活の糧である給与やボーナスが差し押さえられてしまうと、生活はさらに困窮し、職場にも借金の事実が知れ渡ってしまいます。

多くの相談者様が最も不安に思われるのは、「一度始まった差押えは、いつ止まるのか?」そして「自己破産をすれば、すぐに全額もらえるようになるのか?」という点です。

実は、弁護士に依頼したタイミングですぐに全ての差押えが解除されるわけではありません。

法律上の手続きには明確な「段階」があります。

このコラムでは、給料差押えの計算方法から、弁護士による受任通知の効果、そして自己破産手続きにおける「差押え停止(中止)」と「完全な失効」のタイミングについて、一般の方にも分かりやすく、詳しく解説します。

福井県大野市を拠点とする当事務所ですが、オンライン等の活用により全国各地からのご相談に対応しております。

一人で悩まず、解決への道筋を一緒に確認していきましょう。

給料差押えの恐怖と現実的なリスク

借金の返済が遅れ、督促状や催告書が届いても対応できずにいると、債権者は裁判所を通じて「支払督促」や「訴訟」を起こします。

これらを放置して判決等が確定すると、債権者はあなたの財産を強制的に回収する権利を得ます。

これが「強制執行」であり、その中でも最も一般的に行われるのが【給料の差押え】です。

給料が差し押さえられると、以下のような深刻なデメリットが発生します。

会社に借金の事実がバレる:裁判所から勤務先(第三債務者)に対して「差押命令書」が届くため、経理担当者や上司に借金トラブルの存在が知られてしまいます。

手取り額が大幅に減る:生活費として入ってくるはずのお金がカットされるため、家賃や光熱費、食費の支払いが困難になります。

◎完済するまで続く:一度差押えが始まると、原則として借金全額(および遅延損害金)を完済するか、債務整理によって法的に止めるまで、毎月の給料日から天引きされ続けます。

職場に居づらくなるだけでなく、明日からの生活そのものが脅かされるのが給料差押えです。

「いつか何とかなる」と放置せず、通知が来た段階で早急な対応が必要です。

給料差押えによる3つの大きなリスクを説明するスライド。「会社に借金の事実が知られる(裁判所からの通知で上司や経理に露呈)」、「手取り額が大幅に減少する(生活費がカットされ支払いが困難に)」、「完済するまで毎月続く(全額返済か債務整理まで天引きが止まらない)」という深刻な影響を警告しています。

手取りはどうなる?給与・ボーナスの差押え範囲(4分の1ルール)

では、実際にどれくらいの金額が引かれてしまうのでしょうか。

法律では、債務者の最低限の生活を守るため、給料の全額を差し押さえることは禁止されています。

基本となるのは【手取り額の4分の1】です。

具体的には、税金や社会保険料を控除した後の「手取り額」を基準に、以下のように計算されます。

◎手取り額が33万円以下の場合

手取り額の【4分の1】が差し押さえられ、債権者に支払われます。残りの4分の3は受け取ることができます。 (例:手取り20万円の場合、5万円が差押え、15万円が支給)

◎手取り額が33万円を超える場合

【33万円を超える部分すべて】が差し押さえの対象となります。

(例:手取り40万円の場合、33万円を超えた7万円全額+33万円の4分の1ではなく、上限規定により計算が変わる場合がありますが、一般的に高額所得者は差押え可能額が増えます)

ここで注意が必要なのは、このルールは【ボーナス(賞与)】や【退職金】にも適用されるという点です。

ボーナス払いで住宅ローンなどを組んでいる場合、その計画が大きく崩れることになります。

給料差押えの計算ルールを解説するスライド。1.手取り33万円以下の場合は「4分の1」が差し押さえられ、残り「4分の3」を受取可能。2.手取り33万円を超える場合は「33万円を超えた全額」が差押対象。3.注意点として、このルールはボーナス(賞与)や退職金にも適用されることが明記されています。
差押え額の具体的な計算例を示すスライド。例1「手取り20万円」では、4分の1の5万円が差し押さえられ、手元に残るのは15万円。例2「手取り40万円」では、33万円を超える全額の7万円が差し押さえられ、手元に残るのは33万円。ボーナスや退職金も同様に計算される旨がグラフと共に示されています。

弁護士に依頼した「受任通知」だけで差押えは止まるのか?

「弁護士に依頼すれば、すぐに給料満額がもらえるようになる」と誤解されている方がいらっしゃいますが、ここは非常に重要なポイントです。

弁護士が債務整理の依頼を受けると、債権者に対して【受任通知(介入通知)】を送ります。

これにより、貸金業法に基づき、業者からの電話や郵便による「直接の取り立て」は即座にストップします。精神的な平穏はすぐに取り戻せるでしょう。

しかし、すでに裁判所を通して始まってしまった「給料の差押え(強制執行)」は、受任通知を送るだけでは止まりません。

受任通知はあくまで「これから弁護士が入って交渉・手続きをします」という宣言であり、裁判所の命令である差押えを無効にする効力まではないのです。

つまり、弁護士に依頼した後も、自己破産の申立て準備をしている間は、残念ながら給料の差押えは続いてしまいます。

そのため、差押えが始まってからではなく、差押えの「予告」が来た段階、あるいはそれより前の段階で相談することが、手取り額を守るためには不可欠なのです。

弁護士依頼後の効果の違いを説明するスライド。「受任通知で止まるもの」は業者からの直接の取り立て(電話・郵便)。一方「止まらないもの」は裁判所による給料の差押え(強制執行)。【重要】として、実際に差押えが始まる前の「予告」段階で弁護士へ相談することが不可欠であると強調しています。

【重要】自己破産の「開始決定」で差押えは「停止」する

では、どのタイミングで差押えが止まるのでしょうか。 自己破産の手続きにおいて、裁判所に申立てを行い、書類審査などを経て【破産手続開始決定】が出されたタイミングが、状況が変わる大きな転換点です。

破産手続開始決定が出ると、法律上、以下の効果が発生します。

◎新たな差押えができなくなる

これ以降、債権者は給料の差押えを新しく申し立てることができなくなります。

◎すでに行われている差押えが「中止(停止)」される

ここでのポイントは、まだ「完全に終了」ではないということです。あくまで「一旦ストップ」の状態になります。

この「中止」の状態になると、会社は給料から差押え分を天引きし続けますが、そのお金を債権者(貸金業者など)に支払うことは禁止されます。

では、その天引きされたお金はどうなるのか? 会社内部、あるいは法務局などに【プール(積み立て・保管)】される状態になります。

つまり、開始決定が出たからといって、すぐに翌月の給料から満額が手元に入ってくるわけではありません。

「引かれるけれど、業者には渡らない」という宙に浮いた状態がしばらく続くことになります。

(※管財事件か同時廃止事件か、または裁判所の運用によって、開始決定後の給与がすぐに全額支給されるケースもありますが、基本的には「プールされる」と考えておいた方が安全です。)

自己破産の手続きによる差押えへの影響を解説。「新たな差押えができなくなる」ほか、「既存の差押えが中止(停止)」されます。中止中の仕組みとして、会社は給料の天引きを継続しますが債権者への支払いは禁止され、天引き分は会社等にプール(保管)されるという一時停止の状態になることが説明されています。
差押えが完全に失効するまでの流れを3段階で図解。ステップ1「受任通知の送付」で直接の取り立てが停止。ステップ2「破産手続開始決定」で差押えが中止され天引き分がプール開始。ステップ3「免責許可決定の確定」で差押えが完全に失効。天引きがなくなり、プールされていたお金も返還される仕組みです。

差押え分が戻ってくるタイミング「免責決定」とは

プールされていたお金が戻り、かつ給料からの天引きが完全になくなるのは、自己破産手続きの最終ゴールである【免責許可決定】が確定したときです。

免責許可決定とは、裁判所が「借金の支払い義務を免除する」と認める決定のことです。 この免責が確定することで、これまで行われていた強制執行は【効力を失います】。

この時点で初めて、以下のことが実現します。

  • 給料からの天引きが完全になくなる(来月から満額支給)。
  • 開始決定から免責確定までの間に「プール(保管)」されていた天引き分が、まとめて債務者(あなた)に返還される。

つまり、自己破産によって差押えを解除し、元の生活を取り戻すためには、「開始決定」を経て「免責」を勝ち取るまでの期間、手続きをしっかりと進める必要があります。

なお、管財事件(財産がある場合などの複雑な事件)の場合は、プールされていたお金が破産管財人に引き渡され、債権者への配当に回されるケースもあります。

ご自身のケースがどうなるかは、法律相談の際に詳しく見通しをお伝えします。

免責許可決定の効果を解説するスライド。免責により借金の支払い義務が免除され、強制執行が効力を失います。これにより「給料天引きが完全になくなり満額支給される」ことと、「プールされていたお金が返還される」ことが実現します。ただし、管財事件では配当に回される場合があるとの注意書きがあります。

地方から全国へ。弁護士法人横田秀俊法律事務所の強み

給料の差押えは、生活の基盤を揺るがす緊急事態です。

「会社に迷惑をかけたくない」

「家族に知られたくない」

と悩んでいる間に、事態は悪化してしまいます。

できるだけ早期に、専門家である弁護士にご相談ください。

【全国対応のオンライン相談】

当事務所は福井県大野市にございますが、ご依頼は地域を限定しておりません。

ZOOMやGoogle Meetなどのビデオ通話ツールを使用し、全国どこからでも相談が可能です。

「近くに相談できる弁護士がいない」

「地元の弁護士だと知り合いにバレそうで怖い」

といった方も、安心してご自宅からご相談いただけます。

【明朗な費用体系と柔軟な決済】

相談料は30分5,500円(税込)です。

ご来所いただく場合の対面相談では、現金のほか、各種クレジットカード決済、QRコード決済にも対応しており、相談者様の利便性を高めております。

費用の分割払いについても、ご事情に合わせて柔軟に相談に応じております。

借金問題は、放置すればするほど解決の選択肢が狭まります。しかし、法的手続きを適切に行えば、必ず再出発の道は開けます。

給料差押えの不安がある方、すでに始まってしまった方は、一日でも早く当事務所までご連絡ください。

あなたの生活を守るため、全力を尽くします。


【お問い合わせ】

弁護士法人横田秀俊法律事務所

〒912-0087 福井県大野市城町8番6号

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監修・執筆:弁護士 横田 秀俊 福井弁護士会所属

日本弁護士連合会の中小企業法律支援センター幹事を務め、中小企業の法的支援体制の構築に携わる。
福井県内地域においては、福井県事業承継・引継ぎ支援センターのエリアコーディネーターとして、数多くの事業引継ぎや経営課題の解決を主導。
法律のプロフェッショナルとして、緻密な法理と現場主義を両立させた的確なアドバイスを提供している。

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