COLUMNコラム
持ち家・住宅ローンがある場合の自己破産。住み続ける方法はある?
破産・再生 2026.02.27.
~目次~
人生において最も大きな買い物である「マイホーム」。家族の思い出が詰まった大切な持ち家を手放すことは、誰にとっても身を切られるほど辛い決断です。
しかし、会社の倒産、突然のリストラ、予期せぬ病気、あるいは生活費を補うためのクレジットカードのリボ払いや消費者金融からの借り入れが雪だるま式に膨れ上がり、毎月の住宅ローンの返済はおろか、日々の生活すら成り立たなくなってしまうご家庭は決して少なくありません。
「借金はもうどうにもならない。自己破産をしてゼロからやり直したい。でも、せめてこの家だけは、家族のために残すことはできないだろうか」
当事務所には、このような悲痛なお悩みを抱えたご相談者様が連日後を絶ちません。
結論から申し上げますと、自己破産という法的手続きを選択した場合、原則として現在所有している持ち家は手放さなければなりません。自己破産はすべての借金を免除してもらう強力な手続きである反面、一定以上の価値がある財産はすべてお金に換えられ、債権者(お金を貸している側)への支払いに充てられるという厳格なルールがあるからです。
しかし、状況によっては「個人再生」という別の法的手続きに切り替えることでマイホームを守れる可能性や、自己破産の手続きを進めながらでも、ご親族の協力や「リースバック」という特殊な不動産取引の仕組みを活用することで、今の家にそのまま住み続けられる例外的な方法が存在します。
また、仮に家を手放すことになったとしても、「明日すぐに荷物をまとめて出て行け」と追い出されるわけではなく、新しい生活基盤を整えるための十分な猶予期間が法的に保障されています。
本コラムでは、持ち家や住宅ローンがある状態で自己破産をすると家はどうなるのかという基本原則から、どうしても住み慣れた家に住み続けたい方が検討すべき具体的な裏ワザや代替案、そして退去までのスケジュールについて、弁護士法人横田秀俊法律事務所の弁護士が一般の方にも分かりやすく、そして徹底的に詳しく解説いたします。
当事務所は福井県大野市にオフィスを構えておりますが、オンライン面談システムを導入し、地域を限定することなく【全国の借金問題・自己破産案件に完全対応】しております。
大切なマイホームのことで頭を抱え、夜も眠れない日々を過ごされている方は、ぜひ本記事を最後までお読みいただき、ご自身とご家族の未来を守るための正しい知識と解決への糸口を掴んでください。

原則:自己破産をすると持ち家はどうなる?破産管財人による売却と退去の現実
自己破産の手続きを裁判所に申し立て、借金の支払い義務をすべて免除(免責)してもらうためには、ご自身が所有している価値ある財産を債権者に公平に分配しなければならないという大原則があります。
持ち家(戸建て・マンション問わず)や土地といった不動産は、個人の財産の中で最も高額な資産であるため、当然に処分の対象となります。
住宅ローンが残っている場合でも、すでに完済している場合でも、自己破産の手続きが開始されると、裁判所によって「破産管財人(はさんかんざいにん)」という中立な立場の弁護士が選任されます。
この破産管財人が、あなたに代わって不動産の管理と処分の権限をすべて引き継ぐことになります。つまり、手続きが始まった時点で、自分の家であっても勝手に売買したり、名義を変更したりすることは一切できなくなります。
破産管財人は、少しでも高く家を売却して債権者にお金を返すために、まずは一般の不動産市場で買い手を探す「任意売却(にんいばいきゃく)」を試みます。
任意売却は、通常の不動産売買と同じように市場価格に近い価格で売れる可能性が高いため、優先して行われます。もし、任意売却で買い手が見つからない場合や、住宅ローン会社(抵当権者)との交渉が決裂した場合は、最終的に裁判所を通じた「競売(けいばい)」にかけられることになります。
競売は強制的な売却手続きであり、落札者が決まれば法的に所有権が移転するため、元の所有者であるあなたは速やかに家を退去して明け渡さなければなりません。
これが、自己破産における持ち家の避けられない現実です。


家を手放したくない場合の最強の選択肢:「個人再生(住宅ローン特則)」の活用
「どうしてもマイホームだけは失いたくない」
「子どもの学区を変えたくないから引っ越しは絶対に避けたい」。
そのような強いご希望がある場合、自己破産ではなく【個人再生(こじんさいせい)】という別の法的手続きを選択できないかを真っ先に検討すべきです。
個人再生とは、裁判所に申し立てを行って借金の総額を大幅(最大で5分の1、あるいは100万円まで)に減額してもらい、その減額された借金を原則3年間(最長5年間)で分割して返済していく手続きです。この個人再生の最大の目玉であり、自己破産との決定的な違いが、【住宅資金特別条項(通称:住宅ローン特則)】という非常に強力な制度を利用できる点にあります。
この住宅ローン特則を利用すると、「住宅ローンだけは今まで通り(あるいはリスケジュールして)全額返済を継続し、それ以外の借金(クレジットカード、カードローン、消費者金融など)だけを大幅に減額する」という、まさにマイホームを守るための夢のような解決が可能になります。
住宅ローンの支払いを続けるため、銀行に家を差し押さえられたり競売にかけられたりすることはなく、そのままマイホームに住み続けることができます。
ただし、個人再生を利用するためには、「今後も継続して安定した収入が見込めること(会社員や公務員、安定した自営業など)」が絶対条件となります。
また、住宅ローン特則を利用するためには、その家がご本人の生活の本拠(居住用)であることや、住宅ローン以外の抵当権がついていないことなど、厳格な法的要件をクリアする必要があります。
ご自身の状況で個人再生が利用可能かどうかは、専門的な判断が不可欠ですので、必ず弁護士による緻密なシミュレーションを受けることを強くお勧めします。


どうしても自己破産で住み続けたい場合の解決策1:親族間売買による買い取り
収入が減少してしまったり、病気で働けなくなったりして、個人再生による返済の継続が不可能であると判断された場合は、残念ながら自己破産を選択せざるを得ません。
しかし、自己破産の手続きを進めながらでも、「家にはそのまま住み続ける」という奇跡に近い解決を実現する方法が二つあります。
その一つ目が、【親族間売買(しんぞくかんばいばい)による買い取り】です。
これは、破産管財人が家を任意売却する際に、第三者(全く見ず知らずの不動産業者や一般の買い手)に売るのではなく、あなたの親、兄弟姉妹、あるいは独立して安定した収入がある成人したお子様などの「ご親族」に家を買い取ってもらうという方法です。
ご親族が新たな家の所有者(大家さん)となり、あなたはご親族に対して毎月適正な家賃を支払う(あるいは無償で住まわせてもらう)ことで、引っ越しをすることなくそのまま家に住み続けることが可能になります。
ただし、この方法は決して簡単な道のりではありません。
裁判所および破産管財人は、親族間での売買が「財産隠し」や「不当に安い価格での譲渡」にならないよう、極めて厳しい目を光らせます。
そのため、ご親族は必ず【客観的に見て適正な市場価格(適正価格)】で家を買い取らなければなりません。また、親族間売買においては、購入するご親族が銀行の住宅ローン審査に通らないケースが非常に多いため(銀行は親族間売買への融資に極めて消極的です)、ご親族自身が現金一括で購入資金を用意できるかどうかが最大のハードルとなります。

どうしても自己破産で住み続けたい場合の解決策2:リースバックを利用した賃貸化
親族に家を買い取ってもらうだけの経済的余裕がない場合に検討される二つ目の裏ワザが、【リースバック(セール・アンド・リースバック)】という不動産の活用手法です。
リースバックとは、ご自身の持ち家をリースバック専門の不動産会社や投資家に買い取ってもらい、売却と同時にその買い手との間で「賃貸借契約」を結ぶシステムです。所有権は不動産会社に移りますが、あなたは「借り主」として毎月家賃を支払うことで、今までと同じようにその家に住み続けることができます。将来的に経済状況が回復すれば、再び家を買い戻す契約を含めることも可能です。
自己破産の手続きにおいてこのリースバックを活用する場合、破産申し立ての前に任意売却として不動産会社とリースバック契約をまとめるか、破産手続き中に破産管財人の同意を得てリースバック業者に売却する必要があります。
この方法の最大のメリットは、近隣住民や子どもの学校関係者に「家を売却して自己破産した」という事実が一切バレずに済むことです。
外から見れば、今までと全く変わらない生活が続いているように見えます。
しかし、リースバックにも重大な注意点があります。
それは、【毎月の家賃が、かつての住宅ローンの返済額よりも割高になるケースが多い】ということです。
自己破産によって他の借金がゼロになるとはいえ、高い家賃を支払い続けるだけの安定した収入がなければ、結局は数ヶ月後に家賃を滞納し、退去を命じられてしまうという本末転倒な結果になりかねません。
リースバック業者の選定から条件交渉まで、弁護士と不動産の専門家が連携して慎重に進める必要があります。

退去までの猶予期間:明日すぐに出て行く必要はありません(半年程度の準備期間)
「自己破産を弁護士に依頼したら、すぐに家を追い出されて、明日から家族で路頭に迷ってしまうのではないか」と恐怖に震え、相談をためらっている方がいらっしゃいます。どうかご安心ください。
日本の法律は、そこまで冷酷ではありません。家を手放すことが確定した場合であっても、明日明後日に突然追い出されるようなことは【絶対にありません】。
自己破産を弁護士に依頼し、受任通知が債権者に発送されると、その時点から住宅ローンの返済や固定資産税の支払いはストップします。
その後、裁判所への申し立て、破産管財人の選任、不動産の査定、買い手探し、あるいは競売の手続きといった非常に複雑な法的手続きが進行していきます。
この間、あなたは現在の家にそのまま住み続けることができます。
一般的なケースで言うと、弁護士に依頼してから実際に家を退去し、明け渡さなければならない日を迎えるまでには、【おおむね半年から、長ければ1年近く】の猶予期間があります。
しかも、その期間中は住宅ローンの支払いをする必要がないため、浮いたお金を引っ越し費用や新しいアパートの敷金・礼金、当面の生活費としてしっかりと貯蓄しておくことが可能です。
また、破産管財人による任意売却が成功した場合、売却代金の中から引っ越し代として数十万円程度の「立ち退き料」を配分してもらえるよう、弁護士や管財人が債権者と交渉を行ってくれるケースも多々あります。
自己破産は人生の終わりではなく、新しい生活を再建するための準備期間を与えてくれる制度なのです。

借金問題と持ち家のお悩みは、全国対応の弁護士法人横田秀俊法律事務所へご相談ください
いかがでしたでしょうか。持ち家がある状態での自己破産は、非常にデリケートで専門的な判断が連続する難易度の高い手続きです。
「個人再生で家を守れるのか」
「リースバックを成立させられるのか」
「どのタイミングで引っ越しの準備を始めればいいのか」。
インターネットの断片的な情報だけで自己判断を下すことは、ご家族の生活を根底から揺るがす取り返しのつかない失敗につながる危険性があります。
弁護士法人横田秀俊法律事務所では、これまで数多くの自己破産、個人再生、そして不動産が絡む複雑な債務整理案件を解決に導いてまいりました。
ご相談者様の現在の借金総額、毎月の収入、住宅ローンの残高、お家の査定価値、そして「どうしてもこの家に住み続けたい」という切実な想いを全て受け止め、法的に可能で最も安全なベストプランを全力でご提案いたします。
当事務所は福井県大野市に所在しておりますが、借金問題で苦しむ一人でも多くの方をお救いするため、地域を限定することなく【全国の案件に完全対応】しております。
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