COLUMNコラム
クレーマー対応に疲弊していませんか?弁護士が介入することで守れる従業員の心と企業の未来
~目次~
「お客様は神様」という言葉が、いつの間にか現場のスタッフを苦しめる鎖になってはいませんか? 「お前の態度が気に入らない、土下座しろ」
「誠意を見せるまで帰らない」
「ネットに悪評を書き込むぞ」
こうした理不尽な要求や暴言を繰り返す【悪質クレーマー】の存在が、小売店、飲食店、介護・医療現場など、あらゆるサービス業で深刻な問題となっています。
現場の責任者は「お客様だから」と我慢し、若いスタッフは恐怖で萎縮し、結果として優秀な人材が次々と辞めていく…。これは企業にとって、単なるトラブル処理ではなく、経営の根幹を揺るがす重大な損失です。
本コラムでは、社会問題化している「カスタマーハラスメント(カスハラ)」に対し、企業がとるべき法的に正しい姿勢と、弁護士が介入することで劇的に変わる解決への道筋について、実務的な観点から詳しく解説します。

繰り返される理不尽な要求…それは「接客」ではなく「犯罪」かもしれません
毎日、多くのお客様に接する中で、商品やサービスに対する厳しいご意見をいただくことはあります。それは企業の改善につながる「正当なクレーム」であり、真摯に対応すべきものです。
しかし、私たちがここで問題にするのは、そうした正当な範囲を逸脱し、手段や要求内容が社会通念上許されない【悪質クレーム(カスタマーハラスメント)】です。
現場のスタッフは真面目な人が多いため、「相手を怒らせた自分たちが悪いのではないか」と自責の念に駆られがちです。しかし、声を大にして言いたいのは、相手の行為が度を越している場合、それはもはや「接客」の範疇ではなく、刑法に触れる【犯罪行為】である可能性が高いということです。
例えば、以下のような行為は明確な犯罪となり得ます。
・大声で怒鳴り散らし、業務を停滞させる → 【威力業務妨害罪】
・「土下座しろ」「始末書を書け」と義務のないことを強要する → 【強要罪】
・「殺すぞ」「夜道に気をつけろ」と脅す → 【脅迫罪】
・金品や過剰な代償を要求する → 【恐喝罪】
・「帰ってください」と告げても長時間居座る → 【不退去罪】
これらは、現場の店長やスタッフの「努力」や「謝罪」で解決すべき問題ではありません。法的な対処が必要な「事件」なのです。

どこからがレッドカード?正当なクレームと悪質クレームの境界線
経営者や管理職の方が悩むのは、「どこまでがお客様で、どこからがクレーマーなのか」という線引きでしょう。
厚生労働省の対策マニュアルや裁判例などを踏まえると、判断基準は【要求内容の妥当性】と【手段・態様の相当性】の2点にあります。
《要求内容に妥当性がないケース》
・提供した商品やサービスに見合わない高額な賠償請求
・会社側の過失がない(または軽微である)にもかかわらず、執拗な謝罪要求
・従業員の解雇や土下座など、理不尽な要求
《手段・態様が社会通念上相当でないケース》
・怒鳴る、机を叩くなどの威嚇行為
・何時間にも及ぶ拘束、連日の執拗な電話
・SNSやインターネットでの誹謗中傷、晒し行為の示唆
たとえ相手の言い分に一部正しい点(商品の欠陥など)があったとしても、その伝え方が脅迫的であったり、執拗であったりすれば、それは悪質なクレーマーとして対応を変えるべきです。

「お客様は神様」の時代は終わった-不当要求には組織として【ゼロ回答】を
かつて日本のサービス業では「お客様は神様」という精神が美徳とされてきました。しかし、この言葉を盾に取り、何をしても許されると勘違いしている人物に対しては、意識を180度転換する必要があります。
悪質なクレーマーに対する基本方針は、毅然とした【ゼロ回答】です。
「誠意を見せろ」と言われても、金銭の支払いや過剰なサービスには一切応じないこと。
「上の者を出せ」と言われても、必要がなければ現場の責任者以上の上席を会わせないこと。
なぜなら、悪質クレーマーは「成功体験」を求めているからです。一度でも「大声を出したら特別対応してくれた」「粘ったら商品券をもらえた」という実績を作ってしまうと、彼らは「この店はカモだ」と認識し、要求はさらにエスカレートします。
「不当な要求には一切応じない」という姿勢を会社全体で統一し、現場のスタッフが独断で謝罪や金銭授受を行わないようルール化することが、トラブルを最小限に抑える第一歩です。

弁護士を「窓口」にする絶大な効果-プロに任せて現場を解放する
とはいえ、現場のスタッフや店長だけで、怒り狂う相手に対し「ゼロ回答」を貫き続けるのは精神的に非常に過酷です。恐怖心からつい妥協してしまうこともあるでしょう。
そこで最も有効かつ現実的な手段が、弁護士を【対応窓口】に設定することです。
当事務所にご依頼いただいた場合、クレーマーに対して内容証明郵便などで次のように通告します。
《本件については、今後すべて代理人弁護士が対応いたします。店舗や従業員への直接の電話、訪問、接触は一切お控えいただき、当職宛にご連絡ください。》
この通告には、以下のような劇的な効果があります。
【効果1:現場の精神的負担がゼロになる】
「これ以上、あの客と話さなくていい」という安心感は、疲弊したスタッフにとって何よりの救いです。もし店に電話がかかってきても、「弁護士を通してください」と一言伝えて電話を切ればよくなります。
【効果2:クレーマーが沈静化する】
理不尽な要求をする人物の多くは、相手が「反撃してこない弱い立場(店員)」だと思っているから攻撃してきます。
しかし、弁護士という「法の専門家」が出てきた途端、自分の行為が法的に問われるリスクを察知し、急におとなしくなるケースが大半です。
実際に、弁護士名の通知一本でピタリと連絡が止まることも珍しくありません。

それでも止まらない場合は?警察連携と裁判所の「立入禁止命令」
弁護士が介入してもなお、執拗に来店を繰り返したり、嫌がらせを続けたりする極めて悪質なケースも稀に存在します。
そのような場合、私たちは躊躇なく法的な強硬手段をとります。
【刑事告訴・警察への被害届】
弁護士が防犯カメラの映像や録音データ、対応履歴などの証拠を整理し、警察と連携して「威力業務妨害罪」や「不退去罪」などでの刑事事件化を求めます。警察も、弁護士が整理した証拠があることで動きやすくなります。
【裁判所による仮処分(面談強要禁止・立入禁止命令)】
民事上の手続きとして、裁判所に対して申立てを行い、相手方が店舗へ立ち入ることや、面談を強要することを禁止する仮処分命令を出してもらいます。これに違反すれば、さらなるペナルティや、警察が動く際の強力な根拠となります。
このように、「これ以上やれば、あなた自身が法的な制裁を受けますよ」というメッセージを明確に突きつけることが、解決への最終手段となります。

対策を放置するリスク-企業に問われる「安全配慮義務」とは
「たった一人のクレーマーのために弁護士を雇うなんて、コストが合わない」と思われる経営者様もいらっしゃるかもしれません。しかし、法的な視点で見ると、カスハラを放置すること自体が企業にとって大きなリスクとなります。
企業には、労働契約法上、従業員が安全に働ける環境を整える【安全配慮義務】があります。
もし会社が悪質なクレーマーの存在を知りながら適切な対策を講じず、現場任せにした結果、従業員がうつ病を発症したり、自殺に追い込まれたりした場合、会社側が従業員(またはその家族)から損害賠償請求を受ける可能性があります。
実際に、カスハラ被害による労災認定の基準も国によって見直されており、企業の責任は年々重くなっています。
「うちは従業員を全力で守る会社だ」という姿勢を明確に示すことは、今いるスタッフの信頼を得て、人材不足の解消にも寄与します。カスハラ対策は、もはや「コスト」ではなく、会社を守るための必須の「投資」なのです。

従業員と会社を守るため、弁護士法人横田秀俊法律事務所にご相談ください
現場での対応が限界に達し、大切なスタッフが辞めてしまう前に、専門家の力を借りてください。
弁護士法人横田秀俊法律事務所では、悪質クレーマーへの対応窓口業務(代理人対応)はもちろん、内容証明郵便の送付、警察との連携、そして従業員様向けの「クレーム対応マニュアル」の作成や研修まで、幅広くサポートしております。
私たちは、地元・福井の企業の皆様が、理不尽な暴力に屈することなく、誇りを持ってビジネスを続けられるよう全力で支援いたします。
「従業員の笑顔を取り戻したい」
「安心して働ける職場環境を作りたい」
その思いを、私たちが法的な力で実現します。

