COLUMNコラム
【事例紹介】顧問弁護士がいたおかげで、未然に防げたトラブル事例3選
企業法務 2025.12.26.
~目次~
「顧問弁護士をお願いしても、実際に何をしてくれるのかイメージが湧かない」
「何か起きてから相談すればいいのではないか?」
「毎月の顧問料は、何も起きなかった月には無駄金になってしまうのではないか?」
経営者の方から、このような率直なご意見をいただくことは少なくありません。
コスト意識の高い経営者様であれば、何もトラブルが起きていない平時の段階で、固定費をかけることに慎重になるのは当然のことです。
しかし、弁護士が企業に関わる最大の価値は、実は裁判で勝つことではありません。
弁護士の本当の価値は、「トラブルの種を事前に摘み取り、会社へのダメージをゼロ、あるいは最小限に抑えること」、すなわち「予防法務」にあります。
今回のコラムでは、守秘義務に十分に配慮しつつ、実際に当事務所の顧問弁護士が介入したことで、数百万、数千万単位の損失や、長期化する紛争を防ぐことができた3つの成功事例をご紹介します。
これらを読んでいただければ、顧問弁護士が御社の「転ばぬ先の杖」として、また「ビジネスを加速させるパートナー」としてどのように機能するのか、より具体的にイメージしていただけるはずです。

事例1:契約書のリーガルチェックで、数百万の損害賠償リスクを回避したケース
新規取引や業務提携の際、相手方から提示された契約書を
「まあ、形式的なものだから」
「相手は大企業だし、変なことは書かれていないだろう」
と、そのまま判子を押してしまってはいませんか?
実は、これが企業経営において最も危険な瞬間の一つです。
あるIT関連企業様から、新規のシステム開発案件に関する契約書のチェック(リーガルチェック)をご依頼いただいた際のことです。相手方は名だたる大手企業で、契約書もその大手が用意した立派な雛形でした。一見すると標準的な内容に見えましたが、弁護士が法的な観点から一言一句を確認すると、ある条項に会社を揺るがしかねない記述が含まれていました。
それは、「損害賠償の範囲と金額が無制限」とも読める、受注側に極めて不利な条項でした。
もしこのまま契約し、万が一納品したシステムに不具合が生じて相手方のビジネスに損害(サーバーダウンによる機会損失など)を与えてしまった場合、開発費として頂いた金額を遥かに上回る、数千万円規模の賠償請求を受けるリスクが潜んでいたのです。
これは、中小企業にとっては致命傷になりかねません。
顧問弁護士として、私は即座に修正案を作成しました。単に拒否するのではなく、「賠償額の上限を、本契約における委託料の総額を限度とする」という、業界標準に照らして合理的かつ公平な条項への変更を交渉しました。
相手方も法務部を持つ企業でしたので、こちらの主張が法的に正当であることはすぐに理解され、大きな揉め事になることもなく、契約は適正な内容で修正・締結されました。
その後、実際にプロジェクト進行中に予期せぬ小さなトラブルが発生しましたが、契約書によるリスクヘッジが効いていたため、過大な請求を受けることなく、話し合いだけで円満に解決することができました。
たった一度のチェックが、会社の存続を守った典型的な事例です。


事例2:問題社員への指導記録を残すよう助言し、円満退職に導いたケース
「遅刻を繰り返す」
「上司の指示に従わない」
「職場の和を乱す」
といった問題社員への対応は、多くの経営者が頭を抱える深い悩みです。
他の真面目な社員のモチベーション低下にもつながるため、経営者としては「すぐにでも辞めてもらいたい」と考えるのが自然でしょう。
しかし、日本の労働法は労働者を非常に手厚く保護しており、解雇のハードルは極めて高いのが現実です。感情に任せて「明日から来なくていい」と解雇を言い渡してしまうと、後になって「不当解雇」として訴えられ、未払い賃金(バックペイ)や慰謝料を請求されるケースが後を絶ちません。場合によっては、数百万円の支払い命令が出ることもあります。
ある製造業の経営者様から、「勤務態度が極めて悪い社員を解雇したい」とご相談がありました。
しかし、お話を伺うと、口頭での注意はしていましたが、客観的な証拠となる記録が一切残っていませんでした。
そこで弁護士は、「今すぐの解雇はリスクが高すぎる」とアドバイスし、急がば回れで、まずは具体的な指導を書面やメールで残すプロセスを構築するよう提案しました。
具体的には、
「いつ、どのような問題行動があり、業務にどう支障が出たか」
「どう改善するよう指導したか」
「本人の言い分は何か」
を逐一記録化し、本人にも改善の機会を与えるという手順です。
これは経営者様にとって忍耐のいる作業でしたが、顧問弁護士の助言通りに粘り強く指導記録を積み重ねた結果、会社側の「やるべき指導は十分に行った」という証拠が固まりました。
その上で、弁護士同席のもと本人と面談を行ったところ、本人も「会社側の要求する水準で働くことは難しい」と自身の状況を客観的に理解し、会社都合の解雇ではなく、合意による円満退職という形で解決することができました。
法的に正しい手順を踏んだことで、将来的な訴訟リスクを完全に排除し、他の社員への悪影響も最小限に留めることができた事例です。


事例3:売掛金の未払いに即座に内容証明を送り、全額回収したケース
中小企業の経営において、キャッシュフローの安定は生命線です。
その中でも特に精神的な負担となるのが、取引先からの入金遅れです。
「もう少し待ってほしい」と言われ続け、そのうち電話にも出てもらえなくなり、最終的には連絡が途絶えて泣き寝入りしてしまう……そんなケースは残念ながら多く存在します。
ある建設業のクライアント様より、「工事代金の一部が半年以上支払われていない」との相談が入りました。自社の経理担当者が何度も電話で督促をしていましたが、のらりくらりと豨かされ、担当者とも連絡がつきにくい状態でした。相手は「払う気はある」と言いつつ、行動が伴っていなかったのです。
そこで顧問弁護士として、相談を受けたその日のうちに、「弁護士法人横田秀俊法律事務所」の弁護士名義で内容証明郵便を送付しました。
文面には、「本書面到達後、指定の期日までに支払いがなければ、直ちに法的措置(訴訟提起や預金口座の仮差押えなど)を講じる準備がある」旨を、冷静かつ明確に記載しました。
その効果はてきめんでした。
郵便が届いた翌日、相手方の代表者から慌てて連絡があり、「すぐに工面して支払うので、裁判だけは待ってほしい」との申し入れがあったのです。
一般的に、会社名義の請求書は後回しにできても、弁護士名義の警告書を無視することは「裁判になる=会社の信用問題に関わる」という強烈なプレッシャーを相手に与えます。
結果、送付から1週間以内に未払い金全額が指定口座に入金されました。
弁護士という「外部の圧力」と「法的な強制力」を示すことにより、相手の優先順位を強制的に上げさせ、スピーディーに回収を実現した事例です。


まとめ:経営を守るための「予防法務」こそが、最強の投資
今回ご紹介した3つの事例に共通しているのは、
「トラブルが大きくなる前、あるいは手遅れになる前に、専門家が介入した」
という点です。
病気と同じで、法的トラブルも早期発見・早期治療が最もコストが安く、傷も浅くて済みます。逆に、こじれてしまってから弁護士に依頼すると、着手金や報酬金が高額になるだけでなく、解決までに数年単位の時間を要することも珍しくありません。

経営者の皆様が、無用なトラブルに時間を奪われることなく、安心して本業の成長戦略に専念できる環境を作る。
それこそが、顧問弁護士を活用する最大のメリットです。
何かあってから探す弁護士ではなく、平時から会社の内情を理解し、気軽に相談できる「顧問弁護士」の活用を、ぜひご検討ください。

福井県大野市で、経営者の皆様の「転ばぬ先の杖」に。
契約書のチェックから、労務問題、債権回収まで。
御社の事業内容や業界の実情を深く理解し、二人三脚で会社を守ります。
顧問契約に関するご質問や、現在抱えている具体的なお悩みなど、まずは一度お気軽にご相談ください。

