COLUMNコラム
まだ「何かあってから」頼みますか?中小企業が顧問弁護士を持つべき本当の理由
~目次~
日々、刻々と変化する情勢の中で、経営の舵取りをされている経営者の皆様。
「弁護士」という職業に対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
「裁判になったときに戦ってくれる人」
「大きなトラブルが起きてどうしようもなくなってから頼む最後の砦」
そのようにお考えではないでしょうか。
実際、多くの経営者様が「うちはまだ小さいから弁護士なんて必要ない」「トラブルが起きてから探せば十分間に合う」と考えがちです。しかし、果たして本当にそうでしょうか。
昨今のコンプライアンス意識の高まりや、インターネットによる風評被害の拡散スピードを考えると、地方の中小企業こそ、有事の対応ではなく平時の備えが企業の生死を分ける時代になっています。
本記事では、なぜ今、中小企業に顧問弁護士が必要なのか、その本当の理由を「コスト」「リスク」「経営スピード」の観点から詳しく解説します。

「手術」と「予防接種」の違い。ビジネスにおける致命傷を防ぐために
経営において法的トラブルが発生した状態を、私たちの身体の病気に例えて考えてみましょう。
取引先から売掛金が支払われない、解雇した元従業員から労働審判を申し立てられた、契約書の不備を突かれて不利な条件を押し付けられた。これらは、企業にとって「重病」にかかった状態と言えます。
ここまで事態が悪化してから弁護士を探し、依頼することは、病院で例えるなら、倒れて救急車で運ばれ「緊急手術」を行うようなものです。 手術には当然、多額の費用がかかります。それだけではありません。手術をしても、完全に元の健康な状態に戻るとは限らず、リハビリ(信頼回復)に長い時間を要したり、最悪の場合は後遺症が残ったり、命(倒産)に関わることさえあります。また、紛争対応という「入院期間」中は、経営者自身が通常の業務から離れざるを得なくなります。

一方で、顧問弁護士を持つということは、定期的な「予防接種」や「健康診断」を受けることに似ています。
新しい取引先と契約する前に契約書のリスクをチェックする、就業規則を今の法律に合わせて見直しておく、従業員との些細な認識のズレを早めに解消する。これらは一つ一つが小さな予防措置ですが、将来の大病を未然に防ぐ効果は絶大です。
特に地方の中小企業においては、一つのトラブルが地域の評判に直結しやすく、たった一度の「重病」が取り返しのつかないダメージになることが少なくありません。
「何かあってから手術をする」のではなく、「健康なうちに予防医療を取り入れる」。
この意識の転換こそが、長く安定した経営を続けるための秘訣であり、企業防衛の要なのです。

トラブル後のコストは甚大。「裁判費用」対「顧問料」の現実的な比較
顧問契約を躊躇する最大の理由は「コスト」ではないでしょうか。
「毎月数万円の顧問料を払う余裕はない」
「何も起きていないのに固定費を増やすのは無駄だ」
と感じられる経営者様のお気持ちはよく分かります。
しかし、長期的な視点で、あるいはリスク発生時のインパクトを含めてコストを比較すると、全く別の景色が見えてきます。
もし、紛争が起きて裁判や調停に発展した場合、どれくらいの費用がかかるかご存知でしょうか。
スポット(単発)で弁護士に依頼する場合、事案の規模や請求額にもよりますが、最初に支払う「着手金」と、解決時に支払う「報酬金」を合わせると、数十万円から数百万単位の費用が一気にかかることも決して珍しくありません。これは、中小企業のキャッシュフローにとって大きな打撃となります。
さらに、目に見える金銭的コスト以上に深刻なのが「目に見えないコスト」です。
トラブル対応のために資料を探し、弁護士と打ち合わせを行い、裁判所に出向く時間。これら全ての時間は、本来であれば売上を作るために使われるはずだった時間です。経営者がトラブル対応に時間を奪われることによる「機会損失」は計り知れません。加えて、紛争を抱えているという精神的なストレスは、日々の経営判断を鈍らせる要因にもなります。

これに対し、顧問料は月額数万円程度からの設定が一般的であり、経費として計上できます。
これを単なる「コスト」と捉えるか、「将来発生しうる数百万円の損失と、数百時間のロスを防ぐための保険料」と捉えるかで、経営の安全性は大きく変わります。
また、法務部を自社で設置して担当者を一人雇う人件費と比較すれば、顧問弁護士は極めてコストパフォーマンスの高い「法務部の外注」とも言えるのです。

「何も起きない」ことこそが、顧問弁護士が提供する最大の成果
顧問弁護士がいる企業の経営者様から、時折このような冗談交じりのお言葉をいただくことがあります。
「先生と契約してから、特に大きなトラブルも起きないから、弁護士の出番がないね」
実は、これこそが顧問弁護士として最高の褒め言葉であり、私たちが提供したい最大の成果なのです。
日常的に契約書のチェックを行い、法改正の情報を共有し、些細な労務相談に対応して法的な隙を埋め続けているからこそ、「何も起きない」平穏な状態が保たれています。
これは偶然ではなく、予防の結果なのです。
火事が起きてから火を消すのが消防士の仕事だとすれば、顧問弁護士の本来の役割は、火事を絶対に起こさせないための防火管理者です。
いかに優秀な弁護士であっても、火の手が上がってからの消火活動では、どうしても「焼け跡」が残ります。金銭的な解決はできたとしても、取引先との関係悪化や、社内の雰囲気の悪化といった傷跡は簡単には消えません。 しかし、予防が完璧であれば、火事は起きず、焼け跡も残りません。
「何も起きない」ことは、決して「無駄」にお金を払っているわけではありません。
法的な不安をゼロにし、紛争対応に時間を割かれることなく、経営者様が前向きな事業拡大や営業活動、社員教育に100%の力を注げる環境を作ること。
そして、何か新しいビジネスを始める際に「このスキームは法的に問題ないか」を即座に確認し、スピード感を持って決断できる体制を作ること。
それこそが、顧問弁護士が提供できる真の価値なのです。

まとめ
弁護士は、トラブルが起きてから慌ててネット検索して探すものではなく、トラブルを起こさないために、信頼できるパートナーとしてあらかじめ迎えておくべき存在です。
「うちはまだ大丈夫」
「大ごとになったら考えよう」
と思っている今こそが、実は顧問弁護士を検討するベストなタイミングなのです。
将来起こりうるリスクを具体的に想定し、後手に回る経営から、先手を打つ経営へシフトしませんか。

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