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【相続発生直後の方へ】知らないと損をする? まず確認すべき相続の「3大期限」(3ヶ月・4ヶ月・10ヶ月)を徹底解説

相続問題 2025.11.20. #相続問題

【相続発生直後の方へ】知らないと損をする? まず確認すべき相続の「3大期限」(3ヶ月・4ヶ月・10ヶ月)を徹底解説

~はじめに:悲しみの中でも「時計」は止まらない~

 大切なご家族を亡くされた悲しみは計り知れません。まずは心の整理をつけ、故人を偲びたいというのがご遺族の本音でしょう。しかし、法律や税務の世界では、死亡したその瞬間から「相続」という時計の針が動き出しています。

 相続手続きには、法律で厳格に定められた期限があります。もし、「少し落ち着いてから手続きしよう」と後回しにしてしまうと、本来払う必要のない借金を背負わされたり、税金の特例が使えずに数百万円単位で損をしたりするといった、取り返しのつかない事態に陥ることもあります。

 本記事では、数ある手続きの中でも特に重要な**「3ヶ月・4ヶ月・10ヶ月」という3つの壁(期限)**について、その理由と注意点を詳しく解説します。

1119相続はじめに・・・の画像

【序章】最初の7日間:死亡届の提出

 まずは3大期限の前に、直近の手続きについて触れておきます。 死亡を知った日から7日以内に、市区町村役場へ「死亡届」を提出する必要があります。通常は葬儀社が代行してくれるケースが多いですが、これを行わないと火葬許可証が発行されず、葬儀を行うことができません。これが相続手続きのスタートラインです。

 ここから、いよいよ重要な「3大期限」が始まります。

1119相続【序章】

【3ヶ月以内】相続放棄・限定承認

~借金を引き継がないための「運命の分かれ道」~

 相続発生後、もっとも早く訪れる重要な期限が「3ヶ月」です。これは、相続人が遺産をどのように引き継ぐか(あるいは引き継がないか)を決めるための期間で、「熟慮期間」とも呼ばれます。

・単純承認: プラスの財産も、借金などのマイナスの財産もすべて無条件に引き継ぐ(通常の手続き)。

・相続放棄: 最初から相続人ではなかったこととし、一切の財産を引き継がない。

・限定承認: プラスの財産の範囲内でのみ、借金などのマイナスの財産を引き継ぐ。

この期間に決めるべき3つの選択肢

1119相続【3ヶ月以内】

ここが危険!「うっかり単純承認」のリスク

 もし3ヶ月以内に家庭裁判所へ「相続放棄」や「限定承認」の申述を行わなかった場合、自動的に「単純承認」をしたものとみなされます。 後になって**「実は亡くなった父には多額の借金があった」**と判明しても、この期限を過ぎていれば、原則として相続人が借金を返済しなければなりません。

 また、3ヶ月以内であっても、故人の預金を引き出して使ったり、不動産の名義変更を行ったりすると、「単純承認」をしたとみなされ(法定単純承認)、その後は放棄ができなくなることがあります。「少しだけなら大丈夫」という油断が命取りになりますので、遺産に手を付ける前には慎重な判断が必要です。

1119相続 うっかり単純承認

【4ヶ月以内】準確定申告

~故人に代わって行う「最後の確定申告」~

 通常の確定申告は翌年の3月15日までに行いますが、亡くなった方の場合はルールが異なります。 相続人は、故人が亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得について、相続の開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に申告・納税をしなければなりません。これを「準確定申告」といいます。

対象となるケース

全てのケースで必要なわけではありませんが、主に以下のような場合に必要となります。

・故人が個人事業主(自営業)だった場合

・不動産所得(家賃収入など)があった場合

・公的年金等の収入が400万円を超えていた場合

・高額な医療費を支払っており、医療費控除を受けたい場合

 ここがポイント! 準確定申告は、相続人が複数いる場合、**「相続人全員の連署」**で提出するのが原則です。この段階で相続人同士の仲が悪かったり、連絡が取れなかったりすると、手続きがスムーズに進まない原因になります。

1119相続【4ヶ月以内】

【10ヶ月以内】相続税の申告・納付

~最大の難関!「遺産分割」と「現金納付」の壁~

 最後にして最大の期限が、10ヶ月以内に行う「相続税の申告と納付」です。 遺産総額が基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える場合、この期限内に税務署へ申告書を提出し、税金を納める必要があります。

~なぜ10ヶ月が「短い」と言われるのか?~

10ヶ月という期間は長く感じるかもしれませんが、実務的には非常にタイトです。なぜなら、申告期限までに以下のプロセスを完了させる必要があるからです。

・相続人の調査: 戸籍を収集し、誰が相続人かを確定させる。

・財産の調査: 預貯金、不動産、有価証券、借金などをすべて洗い出し、評価額を算出する。

・遺産分割協議: 「誰がどの財産をもらうか」を相続人全員で話し合い、合意する。

 特に時間がかかるのが**「遺産分割協議」**です。話し合いがまとまらなければ、特例(配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など)を使った有利な申告ができず、納税額が数百万円単位で跳ね上がるリスクがあります。

 また、相続税は原則として**「現金一括納付」**です。不動産などの換金しにくい財産が多い場合、期限までに納税資金をどう工面するか(不動産を売却するか等)の対策も必要になります。

1119相続【10ヶ月以内】
1119相続 10ヶ月の落とし穴

【まとめ】最初の「見通し」が円満相続の第一歩

 相続手続きは、これら3つの期限をゴールとして逆算し、計画的に進める必要があります。

☆3ヶ月以内: 借金の有無を調査し、放棄するか決める。

☆4ヶ月以内: 所得を計算し、申告する。

☆10ヶ月以内: 財産を分け合い、税金を納める。

1119相続 まとめ

 

 これらをすべてご遺族だけで行うのは、精神的にも実務的にも大変な負担です。特に、「親族間で揉めそうだ」「財産の種類が多い」「仕事が忙しくて手続きに行けない」という場合は、早期に専門家へ相談することで、期限切れのリスクを防ぎ、精神的な安心感を得ることができます。

1119相続 相談への第一歩

 

 当事務所では、相続発生直後のスケジュール管理から、遺産分割協議のサポート、面倒な手続きの代行までトータルで支援しております。「何から手をつければいいかわからない」という段階でも構いません。期限が迫る前に、まずはお気軽にご相談ください。

1119相続 ご相談ください
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監修・執筆:弁護士 横田 秀俊 福井弁護士会所属

日本弁護士連合会の中小企業法律支援センター幹事を務め、中小企業の法的支援体制の構築に携わる。
福井県内地域においては、福井県事業承継・引継ぎ支援センターのエリアコーディネーターとして、数多くの事業引継ぎや経営課題の解決を主導。
法律のプロフェッショナルとして、緻密な法理と現場主義を両立させた的確なアドバイスを提供している。

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